完全デビューで、周囲を納得させた。エース前田健太投手(23)と同じペースで調整を行ってきたドラフト1位ルーキー、広島野村祐輔投手(22=明大)が28日の紅白戦で、2回打者6人をわずか22球でピシャリ。内野ゴロは5。最後は末永から「バックドア」と呼ばれる外角からストライクゾーンに入れるスライダーで見逃し三振。最速は139キロも「バッターからは遅いという反応がなかった」と話すように、持ち前のキレ味で翻弄(ほんろう)した。

 今キャンプは新人への体力面の配慮もあり、他投手に比べスローペースで調整する前田健と歩調を合わせるように調整。アピールする立場ではなく、戦力と見なされている証しでもあった。紅白戦では兄貴分のお株を奪う投球に、前田健からは「やっぱりコントロールが良いので、うまく打ち取っていけるんじゃないかと思います」と太鼓判を押された。

 「今度は味方ではなくて、相手のチームなので、フル(パワー)を出したいと思う」と淡々と話す。次回は3月4日の中日戦(ナゴヤドーム)での登板が有力だ。【鎌田真一郎】