「一体感」の次はサバイバルだ!

 和田阪神が2月29日、沖縄・宜野座の春季キャンプを打ち上げた。「最高の準備ができた」という和田豊監督(49)は、3月のオープン戦でチーム内の激しいサバイバルをあおった。城島VSブラゼルの一塁バトルは?

 金本VS新井の4番争いは?

 競争をキーワードに仕上げの時期に臨む。

 宜野座村野球場に、熱い声が響き渡った。和田監督の新体制で初めて沖縄に1カ月滞在。最後の練習メニューに選んだのは、全員ランニングだった。ベテラン金本からルーキーの伊藤隼まで、選手全員が列を組んで、声を合わせた。指揮官はその光景に手応えをつかんだ。

 和田監督

 昔はああいう練習をよくやった。最後に心を1つに終わる。今年はそういう気持ち、一体感を持っていく。コーチがメニューを考えてくれた。やりたいと思っていたことができた。最高の準備ができたと思う。

 チームの結束をキーワードに掲げ、キャンプ初日から投内連係などひとつのボールを追いかける練習を毎日欠かさなかった。大きな補強がなく、現有戦力を底上げしなければならない。そのためには団結力が必要と判断した。その土台が完成し、次なるテーマは「サバイバル」だ。この日、指揮官の口から競争をあおる言葉が何度も出た。

 和田監督

 ローテの4、5枚は決まっている。1つ、2つを若手中心にいい争いをしてくれたら。この1カ月で様子を見ながら、ハイレベルな競争をしてもらいたい。鶴、秋山、小嶋、ベテランの安藤、小林宏も目の色を変えてやってくれている。

 開幕ローテーションは能見、岩田、メッセンジャー、スタンリッジ、久保が濃厚。少ない枠をベテランと若手が争う。さらに4番争いにも触れた。

 和田監督

 候補は何人かいる。ここも新井が中心と思うが、競争して勝ち取って、4番で迎えられるようにしてほしい。

 城島VSブラゼルの一塁バトルやセンター争いもある。結束だけでなく、勝負の厳しさをこれからはたたき込んでいく。チーム内の激しいサバイバルの先に、開幕ダッシュがある。【田口真一郎】