<オープン戦:オリックス0-3阪神>◇4日◇春野

 逆襲の男たちが、和田豊監督(49)にオープン戦初勝利をもたらした。1軍に合流したばかりの林威助外野手(33)が2安打1打点。同じく昇格組の野原将志内野手(23)とともに結果を出した。ここまでオープン戦3試合でわずか2得点と得点力不足に泣いていたが、2軍キャンプから這い上がってきた林らが打線を活性化させた。

 オレを忘れるな!

 メッセージ付きの一打だった。1-0で迎えた8回1死二塁、林威助はオリックス比嘉の変化球をとらえた。打球は右翼線を鋭く破るタイムリー二塁打。和田阪神のオープン戦初勝利へ、貴重な追加点をたたき出した。

 「三振以外は全部、納得のいく打席だった。結果を出すしかないので、自分のタイミングで打てたことがよかった」

 試合後、林威助は淡々と振り返った。新人の伊藤隼、俊介、田上、大和ら若手が中堅争いを繰り広げる中、キャンプは2軍で過ごした。クリーンアップを打った実績のある男にとっては、胸に期するものを抱えたままの日々だった。

 だが、2日、1軍昇格の報を受けると2軍・鳴尾浜球場から高知入り。そして、1軍合流2試合目でさすがという結果を出した。同じタイミングで昇格し、タイムリーを放った野原将とともに和田監督は“逆襲の男たち”を歓迎した。

 「野原将、林と1カ月、安芸で頑張っていた2人が結果を出すとね。競争に加わってくるし、結果が出るなりのことをしてきたんだろう。1軍にいる選手も安泰というわけではない。また、違う競争が始まる」

 沖縄・宜野座でのキャンプから新人の伊藤隼、俊介、田上、そして本来は内野手の大和も加わり激しい外野争いを繰り広げている。そこへ林威助も名乗りを上げた。あす6日からのソフトバンク戦は主力が出場予定のため、林威助の出番があるかは微妙だが、しっかりと存在感を示した。

 和田阪神は、オープン戦3試合で2完封負けと貧打に苦しんでいた。それを打破したのは2軍から這い上がってきた男たちだった。

 「やっぱり負けてばかりだとね…。シーズンでも今みたいに点が取れない状況があると思うんだけど、しっかりと声だけは出ている。シュンとならずに、やるべきことをやっていれば、悪い時期もそうは続かない。野球の神様はそういうところを見ているから」

 オープン戦初勝利を噛みしめた指揮官が言ったように、野球の神様は、2軍で汗を流す姿も、しっかりと見ていた。【鈴木忠平】