<オープン戦:日本ハム11-0ロッテ>◇7日◇札幌ドーム

 日本ハムのルーキーは大嶋だけじゃない!

 ドラフト4位近藤健介捕手(18=横浜)が、6回からマスクをかぶり、2試合連続安打と得点をマーク。ドラフト5位の森内寿春投手(27=JR東日本東北)も5番手で登板し、近藤のリードで2回を無安打無失点に抑えた。キャンプから話題をさらった大嶋は2軍に戻ったが、生きのいいコンビが開幕1軍を懸けて必死のアピールを続ける。

 高卒ルーキーとは思えない落ち着きぶりだった。高鳴る鼓動をマスクで隠し、冷静にピンチを切り抜けた。6回の守備から途中出場した近藤は、2人の投手をリードし、3イニングを無失点。「小学校の時に応援していた選手が打席に立つとドキドキしました」。元千葉ロッテジュニアで12球団トーナメント準優勝の経験がある18歳は、6回2死一、三塁のピンチも動じることなく、今江を二ゴロに仕留めて見せた。

 打っては、前日6日から2打席続けて出塁。追加点につなげる中前打を放つなど、ゲーム終盤の見せ場を演出する役者ぶりだ。「追い込まれてからは、しっかり食らいついていこうと思った」。2球で2ストライクとされながら、積極的にバットを振って安打にしてしまう。「彼の場合、左の代打で開幕1軍を目指すことになる。結果を残している選手を落とせないよね」。非凡な打撃センスに、栗山監督の心もグラリと揺れたようだ。

 1日に卒業式を終えたばかり。もともと、野球に取り組む姿勢には定評があった。1月の新人合同自主トレ中も、練習の意味やトレーニング法などについて積極的にトレーナーに質問をぶつけた。「あの子は頭が良い」というのが周囲の評価。6日に1軍に合流し、この日も全体練習の前に中嶋バッテリーコーチの特訓を受けたが、今は何もかもが楽しくて仕方がない。

 7回から9歳上の“同期生”、同じルーキーの森内とコンビを組んだ。オープン戦2度目の登板となった森内も、2イニングを投げて許した走者は自らの失策による1人だけ。「近藤の構えているところに落ち着いて投げられました」と息もピッタリだった。開幕まで残り1カ月を切った。ルーキーたちが1軍に残れるかどうか、勝負はここからだ。【中島宙恵】

 ◆近藤健介(こんどう・けんすけ)1993年(平5)8月9日、千葉市生まれ。小4から野球を始める。小6時に千葉ロッテジュニアに選ばれ12球団ジュニアトーナメント準優勝。東京・修徳中を経て、横浜入学後は1年春からベンチ入り。3年夏に正捕手として甲子園出場。昨年アジアAAA大会で日本代表の正捕手を務めた。高校通算38本塁打。171センチ、80キロ。右投げ左打ち。