<オープン戦:ソフトバンク3-2ロッテ>◇11日◇福岡ヤフードーム

 ロッテのエース成瀬善久投手(26)がチームの開幕戦連敗脱出を託される。初先発し、2失点こそしたが、4回4安打3奪三振と上々の内容。開幕投手候補の唐川も2番手で4回1失点と好投した。だが経験と実績で上回る成瀬が30日の楽天戦で3年連続の開幕投手を務めることが確実な状況になった。

 1、2回は速球が高めに浮き、4安打で2失点。だが2月22日の紅白戦以来となる実戦勘を取り戻すと、3回は圧巻だった。明石をスライダーで空振り三振、昨季首位打者の内川のバットをへし折り、ペーニャを直球で3球三振。4回も3者凡退に仕留めた。「最初バタバタしたけど修正できた。いつもの時期よりいい」と好感触が手に残った。

 この2週間はチームを離れ、別調整。本拠地でポール間の往復約360メートルダッシュを6本繰り返し、例年以上に走った。ルーキーの力投が燃える要因。「藤岡は刺激になった。ああいう存在は大きい」と認めた。

 チームは05年以来、開幕戦で1分けを挟み、6連敗中。球団ワーストの59~64年に並んでいる。相手は楽天田中で通算5回の対戦で1勝2敗と強敵だ。それでも成瀬は言う。「開幕にしか照準を合わせていない」。強烈な自負とともに大役を果たす。【広重竜太郎】