ソフトバンク松中信彦外野手(38)が15日、練習試合の楽天戦(倉敷)で実戦1号となる先制2ランを放った。先発の座を約束されていない元3冠王が、指名打者争いをするカブレラとペーニャの前で意地の一振り。オープン戦残り8試合にすべてをかける。
一塁線の上空をいく打球が右翼ポールの真ん中をたたいた。松中らしい、強い引っ張りでもファウルラインを割らないアーチだ。1回2死一塁。上園の内寄り132キロ直球を仕留めた。「手応えはありました。でないと本塁打になりません」。紅白戦とオープン戦から34打席目での1号にも笑みは不要。手のひらと体に残る感触が必要だった。
先発は保証されていない。左翼は内川が基本線で、松中はDHで勝負をかけている。音無しだったカブレラとペーニャに差をつけても、慢心はない。
「1打席目は内容がよかった。この時期は結果でなく、内容です。僕も、十何年やっているので分かります。いかにいい打席をつくるか。開幕まで自分の形と調子を上げていくだけ」
オープン戦17打席は3人のDH候補の中で最少。打率1割6分7厘と苦戦している。得意の内角さばきで引き出したアーチに「技術はありますから」。理想的な体の反応に対する満足感からだった。
思うような打撃ができず、7日阪神戦後には珍しく特打を行った。今回の遠征前に秋山監督は「珍しいな」と松中の調整を心配していたが、「出ましたな。出ないより出た方がいい」とひと安心した。
首脳陣は小久保を含めたベテランの大砲4門を調子のいい順に起用する方針。2打席で交代した元3冠王は「今後も1、2打席しかないので内容ある打席をつくりたい」と腹をくくった。【押谷謙爾】



