<オープン戦:ロッテ6-5阪神>◇16日◇QVCマリン

 和田阪神のセンター争いがさらに激化だ。左肩痛でキャンプ2軍スタートだった柴田講平外野手(25)が16日、ロッテ戦で1軍復帰。即2番左翼で先発起用され、2犠打を決めるなど無難な動きを見せた。

 表情が輝いていた。前日のうちに1軍に合流。「いつ治るか分からなかった。半年かかるかもしれないし、1年かかるかもしれないと思っていた。早かったと言えば、早かった。不安はないです」と意気込んで臨んだ。

 首脳陣の期待に、柴田らしさで応えた。初回、ロッテ先発渡辺俊に対し、フルカウントから6球連続ファウルで粘った。中飛に終わったが12球を投げさせた。4回には二塁打の平野を三塁へ送るバントを決めて先制点をお膳立て。7回にも犠打成功。2番打者として機能した。「先発と言われて『さあ』となった。去年とは違う気持ちだった」。

 守っては8回2死満塁で里崎の左前打を全力で本塁返球。セーフになったが思い切り左肩を振り、強い球を投げてみせた。「あれは刺さないと。投手を助けられない」と振り返った。

 試合後、和田監督は柴田の復帰を歓迎しつつも、現在のセンター争いの序列を明確に表現した。

 「大和が良い感じで頑張っている。競争していかないといけない立場。キャンプを1カ月できたわけじゃないし、スイング量も本来のところまでいっていない。大和との競争になる」

 不在の間に本命の座には大和が座っていた。キャンプ1軍の俊介、ドラフト1位伊藤隼らもいる。現状では追う立場だ。開幕まで2週間。ポジション争いがさらに熱くなってきた。【鈴木忠平】

 ◆柴田の苦闘

 関本、能見、小宮山と沖縄で自主トレを行っていたが、1月18日に左肩痛のため緊急帰阪。同22日までに大阪市内の病院で精密検査を受け「左肩鎖(けんさ)関節の炎症」と診断。高知・安芸2軍キャンプ中の2月11日にスローイングを再開し、キャンプ終盤にはマシン打撃を解禁。同28日に屋外フリー打撃を再開し、3月3日プロアマ交流戦・亜大戦で実戦復帰。いきなり2三塁打で3打点。10日教育リーグ中日戦で故障後初めて守備に就き、14日のプロアマ交流戦・明大戦からはフル出場していた。