オープン戦打率0割8分3厘の阪神新井貴浩内野手(35)が異例の“打ち込み”を行った。17日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)が雨天中止になると、屋内練習場で他の選手の倍以上の時間を打撃練習に割いた。まだ確定していない「4番争い」の大本命だけに、そろそろ、周囲を納得させる結果がほしいところだ。
新井貴は黙々とバットを振り続けた。冷たい雨が屋根をたたく神宮屋内練習場。他の選手は通常通りのフリー打撃だったが、新井貴と関本は約20分と倍以上の時間を与えられた。さらにマシン打撃も追加し、他の主力選手が練習を切り上げた後もスイングを繰り返した。
片岡打撃コーチはオープン戦期間中では異例となる“打ち込み”の理由をこう説明した。
「打順を変更しながらだから、難しいところもあるだろうし、こうやって時間を取れる時に長く打ち込めれば。オープン戦とはいえ、結果が出ないと、うまく打ちたいと思ってしまう。打ち込むことによって、いい時の状態を思い出したりできるから」
和田阪神は現在、最高の組み合わせを探るべく、ほぼ毎試合のように打順を変えながらオープン戦を戦っている。4番争いの本命である新井貴も、定位置ではなく、5番や、6番での出場が続いている。
それと因果関係があるのか、打撃は24打数2安打、打率0割8分3厘と結果が出ない。前日ロッテ戦(QVCマリン)では一塁へ守備位置が変わった直後の8回、タイムリー失策を記録してしまった。たかがオープン戦、されどオープン戦-。こう考えた首脳陣が同じく結果の出ていない関本とともに「時間」を与えた形だ。
「変わらず、変わらずです。全然、全然。問題ないですよ」
練習後、新井貴は冷静に話した。統一球との相性も考慮して、キャンプから新しい打撃に取り込んできた。結果とは別の次元で己と戦っているのかもしれないが、心の揺れを表に出すことはなかった。残り7試合。そろそろ、スイッチが入ってもいい頃だ。そのきっかけがこの日の打ち込みになったとしたら、新井貴にとっても、チームにとっても、恵みの雨だったと言えるだろう。【鈴木忠平】



