楽天のエース田中将大投手(23)が、開幕投手を回避する可能性が高くなった。18日、オリックスとの練習試合(静岡)に先発。1回を3者凡退に抑えた後、背中の張りを訴えて降板した。球場内でアイシング治療など応急処置を施し、試合中に選手宿舎に戻った。開幕投手について星野仙一監督(65)は「無理はさせたくない」と話しており、今後は慎重に対応する。開幕に田中が不在となれば、チームにとってあまりに痛い。

 投球中に田中は異変を感じていた。1回、オリックス打線を簡単に3者凡退に打ち取った。だが2回、マウンド上に田中の姿はなかった。自ら背中の張りを訴えて降板し、試合中にタクシーで宿舎へ戻った。横浜へ移動する前、田中は「しゃべることはないですよ。大事をとってです。周りの方とも話しての判断です」と表情を曇らせて話した。投球の際に違和感を覚えたのかと問われ「そんな感じです」と話した。

 症状と今後の投球のめどについて、熊原コンディショニングディレクターは「様子を見てみないと分からない。大事をとってということなので。大したことはない」と軽症を強調した。今日19日は休養日で、20日はDeNA戦

 (横浜)、21日はロッテ戦(QVCマリン)が控える。田中も本拠地の仙台には戻らず、チームに同行するという。

 本来ならこの日の調整登板を終え、中5日で24日の中日戦(ナゴヤドーム)、そして30日の開幕戦という青写真が出来上がっていた。佐藤投手コーチは中日戦での先発について「分からない」と答えたものの、登板を回避することが濃厚だ。それでも、エースの自覚と責任感の強い田中は開幕戦を目指す可能性はあるが、その場合でも、開幕戦にぶっつけ本番で臨むこととなり、厳しい状況に変わりはない。

 また、星野監督は慎重に対応する考えを口にした。最終的な結論は2、3日様子を見て下される見込みだが、同監督は開幕投手について「分からん。本人次第だけど、無理はさせたくない。焦ることはない」と話した。無理をして長期離脱という最悪の事態を避けるためにも、万全の治療を優先させる可能性が高い。

 開幕投手が白紙となれば、昨季ルーキーイヤーに9勝を挙げた塩見、経験豊富な下柳も候補に挙がる。ただ、それでも田中の存在は別格。星野監督は「ただでさえ(先発の)数が足りないのに、これじゃあなぁ」と寂しそうに嘆いた。楽天が開幕を前に大きな試練を迎えた。【斎藤庸裕】

 ◆楽天田中と故障

 2年目の08年7月19日、ソフトバンク戦後に右肩痛を起こし、疲労からくる「軽度の腱板(けんばん)炎症及び軽度の関節唇損傷」と診断され同23日に登録抹消(8月2日再登録)。09年は右肩に強い張りで4月30日に登録抹消された(5月13日再登録)。10年は7月4日の試合前練習中、右太ももに違和感を覚え「右大腿(だいたい)二頭筋挫傷」で抹消、8月1日に復帰先発。だが29日の西武戦で胸部に違和感を訴え6回降板。「右大胸筋部分断裂」と診断され、31日に登録抹消されシーズンを終えた。