<オープン戦:DeNA2-3ソフトバンク>◇18日◇横浜

 あるぞセットアッパー!

 ソフトバンク巽真悟投手(25)が2回1安打無失点でオープン戦初セーブを挙げた。中継ぎリレーとなったDeNA戦の8回から登板。1点差の9回2死二塁のピンチで梶谷をフォークボールで空振り三振に切り、オープン戦3試合で6イニング連続無失点。安定した内容に高山投手コーチは「巽がいい味を出している。リリーフの資質は今まで見ていなかった。もしかして、もしかするかも」と興奮気味にまくしたてた。

 いったんは先発争いに敗れた巽は2軍調整となるも、中継ぎへ配置転換。12日の1軍合流からまだ1週間で、株価は急上昇した。高山コーチはこう解説した。「マウンドでおどおどしないし、周りが見えている。打者の体勢を崩し、バットの芯を外している。真っすぐも切れ、変化球の球種も多い。面白い存在だね」。この日も内野ゴロは5個。巽は「先発でなくても1軍で結果を残すことが大事」と、2年ぶりの開幕1軍へ必死で生き残りをかける。

 中継ぎは現在の9人から6~7人に絞られる予定で、先発もできる巽にもチャンスは十分。抑えのファルケンボーグにつなぐ存在として森福と岡島の左腕コンビが有力ながら、今後の結果次第では割って入る可能性もある。「ランナーが出て右打者が立った時に『巽!』と言われるようにしたい。中継ぎの調整は今はよく分かりませんが…」。ドラフト1位で入団し、3年間未勝利。陽の当たらなかった右腕が新しい持ち場で輝き始めた。【押谷謙爾】

 ◆巽真悟(たつみ・しんご)1987年(昭62)1月10日、和歌山県古座川町生まれ。新宮2年の夏から投手へ転向も、甲子園出場歴はなし。近大では3年春のリーグ戦でノーヒットノーランを達成するなど大学通算19勝4敗、防御率2・05。08年ドラフト1位で入団。プロ3年間で4試合0勝2敗。昨年はウエスタン最多の11勝を挙げた。182センチ、78キロ。右投げ左打ち。