<オープン戦:西武3-6阪神>◇18日◇西武ドーム
そういうこっちゃわ!
キンコンカーンと西武ドームの屋根に猛虎お目覚めのサインが響き渡った。号砲は、4試合ぶりに4番復帰した新井貴浩内野手(35)の一打だ。主砲のクリーンヒットから5連打、さらに連打で一挙6得点と春の虎祭り。オープン戦最多となる10安打6得点で連敗を4で止め、最下位を脱出した。
突破口を切り開いた。4番のバットが停滞ムードを振り払った。西武の新人右腕十亀にほぼ完璧に封じられていた4回、1死から新井が打席に立った。変化球を鋭く振り抜くと、打球はライナーで中前へ。ここから、眠っていた猛虎打線が牙をむいた。
続く城島も同じく変化球をとらえて、左中間を真っ二つに破る二塁打。新井は一塁から迷うことなく本塁へ激走して均衡を破った。こうなれば、爆発力のある打線は止まらない。ブラゼル、林威助、小宮山まで5連打を浴びせると、最後は柴田の2点タイムリーなども飛び出して、この回、7安打で6点を奪った。
「問題ないでしょう。どんどん振っていこうという感じだった。4番?
それは監督が決めることですから。どこであろうとベストを尽くすだけです」
試合後の新井は普段と変わらない調子で話した。オープン戦打率0割8分3厘だった主砲にとって、14日ヤクルト戦(甲子園)以来、10打席ぶりのヒット。おそらく、そんなことは気にかけていないだろう。ただそれでも、新井が4試合ぶりに4番に座り、ヒットを放った途端に打線がつながった。偶然ではないはずだ。
「今までは試したというより、有事の時のことを考えてね。これが本来の形だと思うんで。あと10日くらいだから」
ここまでマートン、鳥谷、城島らを4番で起用してきた和田監督も、この日のオーダーがシーズンの基本になると明かした。さらに残り6試合も4番新井でいくか、という問いには、にやりと笑って明言した。
「そういうこっちゃわ!」
毎日、試合前にオーダー表とにらめっこする。打者8つの欄のどこを最初に決めるのか。和田監督には確固たる優先順位がある。
「真ん中がしっかりと決まっていれば、あとは枝葉だから。やはり軸になるところだね。試合ごとに打順を変える監督もいるけど、それはやりたくない」-
どっしりと、揺るぎない軸を固めてから上位、下位を決めていく。そういう意味では「4番新井」の基本形で得点を奪ったこの日の勝利は、今季初の大勝という派手な見た目以上に、大きな収穫だった。【鈴木忠平】
▼阪神の1イニング6得点は今オープン戦で最多。昨季は9月8日広島戦(京セラドーム大阪)の3回に7得点したのが最高で、6得点が2度、5得点が2度あった。統一球の導入前だった10年シーズンは8月25日広島戦(京セラドーム大阪)の8回に10得点するなど、1イニング6得点以上が4度(3試合)あった。



