<オープン戦:西武3-2中日>◇20日◇西武ドーム

 中日山崎武司内野手(43=楽天)が開幕4番の御礼弾を放った。2回に西武西口から左翼へ3号ソロ。高木監督も3月30日開幕広島戦(ナゴヤドーム)4番を改めて明言した。4月で44歳の阪神金本が開幕4番を務めなければ、43歳4カ月でセ・リーグ最年長記録となる。

 完全に泳がされた。しかも外角低めに逃げるボールのスライダー。それでも目いっぱい伸ばした山崎のバットは、ボールの芯をとらえていた。長距離砲にしかできない技ありの1発は左翼席に着弾。俺に任せてもらえばこんなこともできますよ-。立候補していた開幕4番。当確ランプをともしてくれた高木監督に届ける、御礼のアーチだった。

 山崎

 真っすぐ待ちで変化球を拾えるのは好調のバロメーターだね。開幕4番にこだわってるけど確実なものにしないといけない。どれだけ宣伝するか。選挙活動みたいなもんだから。

 2回の第1打席、西口とのベテラン対決を制した3号ソロ。これでオープン戦単独キングに立った。10戦3発。シーズン144試合で換算すると43発ペースだ。開幕4番が山崎かと問われた指揮官も「そうでしょう」と頼もしげに言った。

 高木監督

 今日のはホームラン打者のホームラン。ブランコとの違いはバッティングの細工が効くこと。ブランコは調子を落とすと変化球を我慢できんのよ。

 打ち込み効果も出た。好調にもかかわらず、17日からの広島遠征2連戦を外れ、ナゴヤ球場屋内でバットを振った。チェックしたのは物足りなかった軸足への体重の乗せ方。そこでうまく乗せた時にだけ発症する「右足の筋肉痛」を確認し、完璧なフォームをモノにした。実戦は5日ぶりとなったが、自信を深めた1発となった。

 山崎

 夜は10時前に寝てる。子供より早いからもう寝るのってイヤな顔をされるけど。自宅通勤は10年ぶりだから、セキュリティーの仕方も分からん。この前もビーってセコムが鳴って(夫人に)夜開けたらダメでしょって怒られた。

 02年に一軒家を建てたが、すぐオリックスにトレード。さらに仙台の楽天へ。今回10年ぶりに過ごす家族との生活が、パワーの源になっているのは間違いない。43歳4カ月、セ・リーグ最年長開幕4番が濃厚な3・30広島戦ももちろん自宅から。高木竜の初陣を飾る1発を狙う。【松井清員】