<オープン戦:巨人2-3ヤクルト>◇21日◇東京ドーム

 登録4人の枠を争うヤクルト5人の助っ人争いが、新展開を迎えた。昨季の本塁打王ウラディミール・バレンティン外野手(27)は2打席連続本塁打を放ったが、クローザー林昌勇投手(35)が2軍降格のピンチに陥った。

 まずはここまで本塁打0だったバレンティン。2回1死から148キロの高め直球を左中間スタンドに運んだ。4回1死一塁ではスライダーを左翼席に運ぶ2ラン。開幕スタメンを当確させ「この感触はやっぱり気持ちいい」と興奮した。金髪に染めた頭を19日に丸刈りにした気合の1発だ。

 本来は助っ人の復調を喜ぶはずの小川監督だが、表情は浮かないままだった。右上腕部の張りで調整が遅れていた林が、復帰2戦目で3安打で2失点した。150キロを超えていた直球は、130キロ台後半止まりで空振りは1球だけ。「抑えが心配ですね」と言った。

 当初はこの日先発した新外国人オーランド・ロマン投手(33=兄弟)とバレンティンが外国人最後の1枠を争うはずだったが、2人は調子を上げ、林が落ちる可能性が出てきた。小川監督は「もう1回投げさせる」と、23日からの西武3連戦で最終決断する意向だが、劇的に調子が上がる気配はない。クローザー不在なら代役はバーネットらでカバーすることになる。荒木チーフ兼投手コーチは「いろいろ考えないと」と頭を悩ませていた。【前田祐輔】