<オープン戦:阪神0-5広島>◇21日◇京セラドーム大阪

 もう苦手意識なんてオサラバだ!

 阪神の守護神・藤川球児投手(31)が、苦手としていた京セラドーム大阪で広島打線を3人斬り。30日の開幕戦(DeNA戦)が行われる同球場で、開幕準備OKを示した。試合は完封負けを喫したが、この男が虎を救ってくれるはず。頼むぞ、キャプテン球児!

 スコアボード上は負けていても「勝利」のイメージは眼前に広がっていたはずだ。藤川が9回の1イニングをきっちり3人斬り。まだオープン戦とはいえ、開幕を9日後に控えた最終段階で“悪夢”を少しでも拭えたことが大きい。

 京セラドーム大阪は今年も開幕戦の舞台。今年初の同ドームでの試合はリハーサルの意味があった。

 ただ、藤川にとっては、どうにも相性が悪い球場だ。昨年8月16日、相手は同じ広島だった。同点の9回に登板したが勝ち越しを許し、まさかの途中降板。06年にストッパーに定着して以来、初めてのKOだった。試合後に「苦手。打線に頑張ってもらって、京セラドームは休ませてほしい」と異例の“苦手宣言”をしたほど。マウンドの固さや形状が合わなかったようだ。

 今年は様子が違った。マウンドの感想を聞かれた藤川の表情はパッと明るくなった。「マウンドが変わった感じがした。去年の方が軟らかかったと思う。詳しくは…(オリックス)岡田監督に聞いてみてください!」と証言した。

 さらに、今年からフェンスの色が水色から深いネイビーに変わったことも好印象のよう。「映像を見ていてもナゴヤドームっぽくていいなあと。ナゴヤドームは投手(有利)の球場なんで、うれしかった。でもあんまり(投球内容は)変わらなかったですけどね」と豪快に笑った。

 本人は冗談めかしたものの、9日後にDeNAを迎える開幕戦に向けて、心配なし-と思わせる投げっぷりだった。先頭の代打堂林は1ボール2ストライクからの6球目、新球カットボールで投ゴロにしとめた。梵は145キロ直球、迎はスライダーでともに初球を打たせて外野フライ。去年の異例発言がウソのようにスムーズに片付けた。

 藪投手コーチは「去年のことがあったから早めに投げさせたいと思っていた。問題ないでしょう」と開幕前に苦手意識を払拭(ふっしょく)するための起用だったことを明かした。

 前回登板に続き、若手捕手小宮山に対して自らサインを出すなど、捕手の教育も継続したほど余裕があった。8回榎田、9回藤川という本番モードのリレーだったが「まだ開幕したつもりはない。まだ何でもいいから。今のうちに打たれた方がいいくらい」。あんなに嫌がっていた京セラドーム大阪で余裕を漂わせた。3・30開幕戦へ、不安要素は消えた。【柏原誠】

 ◆藤川の昨季「京セラ苦手」発言

 藤川は11年8月16日、京セラドーム大阪での広島戦で、1-1の9回に登板。1死満塁とされ、代打前田智に右翼線二塁打を浴び、マウンドを榎田に譲った。イニング途中に交代となったのは、05年10月2日ヤクルト戦(神宮)以来の屈辱。敗戦投手となった試合後、藤川は「京セラドームで打たれているのは知っている。言っちゃいかんけど好きじゃない。京セラでは休ませてほしい。苦手だ」と話した。