「代打の神様」が帰ってきた。左鎖骨骨折で2軍調整を続けていた阪神桧山進次郎外野手(42)が22日、1軍に合流。京セラドーム大阪で行われた全体練習では指揮官に鋭い振りを披露した。きょう23日のオリックス戦で1軍戦復帰する“神様”は「結果を出さないと」と決意。オープン戦でチーム打率1割8分3厘と最下位に沈む打線に刺激を注入する。

 安堵(あんど)の笑顔はなかった。主力選手たちと久しぶりの対面を果たした桧山は少しだけ表情を崩したが、練習が始まると、すぐに険しい表情に戻った。

 「みんなの顔を見ると合流できてよかったなと思いますが、それどころじゃない。結果をださないと」

 昨オフ、イベント中のアクシデントで左鎖骨を骨折した。当初は開幕さえ危ぶまれたが、着実な計画に基づいたトレーニングと自己管理、たくましい精神力で開幕OKのラインまでこぎつけた。だが、たった1打席の勝負に生きる男がそれで安心することはなかった。結果こそすべて。ここからが勝負なのだ。

 「(復帰時期は)そのつもりでやってきたから、後退することはなかった。問題はない」

 開幕に間に合ったことが驚異的とも言えるが、本人にとってはプラン通りの復帰だったという。ただ、ここから残された時間は少ない。結果の求められるペナントレースへ向けて、残り4試合で戦える状態にしなければならない。

 「上(1軍)の投手と、いかにいい勝負ができるか。今、この時期に上に残っているのはいい投手。いかに勝負できるかだね」

 オリックス2連戦、そしてメジャー2連戦(マリナーズ、アスレチックス)。完全に仕上がった状態の主力投手たちとの真剣勝負で、技術や、感覚を研ぎ澄ませていく。

 和田監督も“切り札”の復帰を歓迎した。きょうからのオープン戦ラスト4試合では、12球団最低打率1割8分3厘と低迷する打線に対して「代打・桧山」を送るためのチャンスメークをノルマとした。

 「振りもシャープで体が元気そうだ。上の方が疲れ気味の中で桧山が帰ってきてくれた。なるべく多く打席に立たせられるようにしたい。ランナーをためて(から)行く選手。数多く、そういう機会をつくるイメージを持っていきたい」

 打の役者が戻ってきた。オープン戦とはいえ、故障者、打線低迷など明るい話題が少なかった和田阪神を救うべく“神様”が降臨する。【鈴木忠平】