<オープン戦:オリックス9-5阪神>◇24日◇京セラドーム大阪
どんなベテランも1本出るまでは不安というけど、これで神様も無事開幕を迎えられそうですな。代打桧山進次郎外野手(42)のタイムリー。和田阪神のオープン戦最終戦は岡田オリックスにこてんぱんにやられていたけど、最後に飛びきりの朗報が待っていた。オープン戦最下位、最低のチーム打率、守備の乱れ…なあに、オフの骨折からきっちり復活した桧山のように、立て直せばしまいの話や!
敗戦の中にも救いがあった。2-9と大量リードされた9回に無死一、三塁と反撃に出た。ここで告げられたのが「代打桧山」。うっぷんがたまっていた虎党から大歓声で迎えられた。カウント1ボールからの内角球を振り抜いた。鈍い打球音を残した白球は、測ったように二塁手のグラブを越え、中堅手の前へと落ちた。
「ああいう形で出たのは正直、うれしいね」
自然と笑みがこぼれた。1軍復帰2試合目での初タイムリー。「代打の神様」の勝負強さを、そして存在感を示した。それ以上に本人には、充実感が残っていた。
「自分が打ちにいった時に1発で仕留められるのが一番だから」
代打にとって、チャンスは1打席に1球あるか、ないか。ファーストストライクを仕留めるのは鉄則だ。最初のスイングで決着をつけた打席に納得した。
復帰初戦となった前日のオリックス戦には、散髪して球場に現れた。戦う準備を整える、その姿勢はすべてに通じているようだ。打撃練習の前にはミラールームで振り込んでから、グラウンドに出た。ティー打撃も、フリー打撃も、すべて最初の1スイングから全力を込めた。
昨オフのイベントで負ったのは、左鎖骨骨折だ。詰まりながらも、外野に運んだという事実も見逃せない。強くスイングできなければ、内野の頭は越えられない。待ち望んでいた1本のヒットには、開幕への手ごたえが詰まっていた。
「チームの雰囲気もそうだし、今日はオープン戦最後だったし、試合前のミーティングでもそういうことを言っていたから」
まだ主軸には、本来の当たりが出ているとは言い難い。守備のミスも出た。残り1週間を切った開幕への不安が拭えない中、試合後は不思議な安心感も漂っていた。ここぞの場面で、今年も、桧山がいる-。そんな安心感だった。【鈴木忠平】



