竜のイチローだ!

 黄金ルーキー高橋周平内野手(18=東海大甲府)が27日、「プチ振り子打法」で1年目のシーズンに臨むことになった。オープン戦1割3厘と苦しんでいたが、首脳陣から連日の指導を受けて新たなフォームが完成。期待の逸材が新打法でシーズン開幕を迎える。

 新打法が固まった。ケージに入った高橋周は気持ちよさそうにバットを振り抜く。一連の動作は、かつてのイチローのように右足を後方に引くイメージだ。ゆったりとタイミングを取りながら大きくスイング。打球は次々にフェンスに直撃した。苦しんでいた数日前とはまるで違う表情。手応えありの証拠だ。

 高橋周

 今の感じはいいです。悪くない。あとは実戦でどれだけ打てるか。使ってもらったときに自分の力をどれだけ出せるかですね。

 高木流の英才教育を受けている。24日楽天戦を終えてから高木監督の「周平をカウンセリングしてやってくれ」という号令で特別レッスンが開始。連日のように井上打撃コーチとタイミングの取り方などを試行錯誤してきた。これまでのすり足や右足をダイナミックに挙げる打法を修正。同打撃コーチの「振り幅が小さい」という指摘もあり、思い切って大きくバットを振れる“振り子”にたどり着いた。

 悔しさはバットで返すしかない。オープン戦打率は屈辱の1割3厘。17日広島戦(マツダスタジアム)では開幕戦の先発も予想される前田健に2三振を含む3の0と、こてんぱんにやられた。開幕戦はベンチスタートの見込みだが、負けず嫌いの18歳は目をぎらつかせる。

 高橋周

 そう簡単には打たせてもらえないと思うけど、自分のやりたいことはやりたい。

 この日は、通算2274安打を放っている高木監督から直々に指導を受けた。指揮官は「スイングの話をしただけだよ」と内容を明かさなかったが、高橋周は「水平に振れということを言っていただいた」と感激。「戦力としては考えていない」(高木監督)というように、現在の立ち位置は1軍当落線上。ただ、打力が上向けば代打の1番手に躍り出る可能性もある。【桝井聡】