<ソフトバンク3-1オリックス>◇30日◇福岡ヤフードーム
12球団最速アーチだ!
ソフトバンクが松田宣浩内野手(28)の1発で開幕白星を飾った。2回にフィガロから左越えの先制2ラン。昨年リーグ2位、チーム最多の25本塁打を誇ったスラッガーは4回にも三塁打を放ち、マルチ安打。カブレラ、多村と右の長距離砲が不在の中、存在感を示した。連続日本一へ幸先いいスタートだ。
日本一軍団のチーム本塁打王が、いきなり日本最速で決めた。午後6時28分。松田の弾丸ライナーが左翼スタンドに吸い込まれた。「最速すか?
いいっすね!」。カラッとした笑顔がはじけた。
「緊張した」という第1打席は、2回1死一塁で巡ってきた。カウント3-2。追い込まれるとバットを短く持つスタイルで、フィガロの浮いたスライダーをとらえた。「いつも通り。それでも飛ぶのは分かっている。短い方がボール球を振りませんし」。昨年チーム最多25発の自信は揺るがない。先制2ランで流れを引き寄せ、そのまま白星につなげた。「チームの勝ちにつながってよかった」。
打席で構えた両足のスタンスはスパイクの横幅1足分ほどで、そこから前に踏みだす。15日に楽天との練習試合から取り入れた狭小スタイルで「体重をボールに伝えられる」。オープン戦最後の25日広島戦で2打席連続アーチを描き「いいイメージを持てた」と開幕に合わせた。4回には右翼フェンス直撃の三塁打と広角に打ち分け、チーム唯一のマルチ安打を記録した。
杉内と和田、ホールトンの先発3人、43勝分が抜けた。戦力を疑問視する声も挙がる中、摂津を援護した。「去年は投手に抑えてもらい、最少得点で勝っていた。今年はどんどん点を取りたい」。カブレラと多村が欠場する中、同じ右の長距離砲が存在感を出した。
恵理夫人とタイを食べて出陣し、「今夜は赤飯でお祝いです」と開幕戦のお決まり行事がうまくはまった。秋山監督も「マッチ(松田)の先取点は大きかった。状態がいいね。文句なし」と満足げ。こちらは現役時代から儀式めいたものは敬遠。「靴下を替えたり、靴を新品にしたり、絶対にしなかったな。普段からなじんだものがいいんだよ」。ただ、この日は1つだけ違った。自宅庭のベンチを丁寧にぞうきんで拭いて、気持ちよく出陣した。
連続日本一へ、鮮やかな白星発進。「1つずつですよ」。冷静な指揮官に対し、松田はお立ち台でもう1発かました。マイクを握り「ワンツースリー、マッチー!
明日もブイブイいくぞ!」。
チームを、観客を勢いに乗せ、ソフトバンクの12年が始まった。【押谷謙爾】



