<阪神5-5DeNA>◇30日◇京セラドーム大阪

 阪神の守護神藤川球児投手(31)が初陣で同点打を浴びた。1点リードの9回。先頭森本に制球が定まらない。4球目の外角直球をとらえられ、右翼へ二塁打を許したのが発端だ。1死三塁で代打ラミレスを迎える。敬遠せず、勝負に出た。追い込み、内角高め直球で詰まらせたが、左前に落とされ、悪夢の同点適時打になった。

 後続を断ったが、開幕戦で失点。シーズン防御率0・00という究極の目標はいきなり幻となったが「(ラミレスに)狙い通りだった。三塁まで進まれ、状況的に大勝負だった。やるべきことをやってだめだった。残念です」と振り返った。登板前、マウンドに向かうと、和田監督から直接、白球を手渡された。周囲の期待に応えられず「能見さんに勝ちがついていたところ。申し訳ない」と渋い表情だった。

 それでも、スライダーで空振りを奪うなど、収穫もある。「まだ始まったばかり。いろんな球種で勝負できる。143試合、ありますから」と前を向いた。