<阪神3-2DeNA>◇31日◇京セラドーム大阪
選手と一緒に戦う-。開幕2戦目、阪神和田豊監督(49)がウイニングボールを手にした。やられたらやり返す。大和が打ち、筒井が抑え、球児が締めた。執念の開幕戦ドローを生かし、自らのスタイルをちりばめてつかんだ初勝利。この1勝から和田阪神のすべてが始まる。
涙か。それとも、興奮して充血していたのか。和田監督の目は少し潤んでいた。藤川から届けられたウイニングボールをしっかり握りしめる。試合後の会見。いつもは冷静に語る指揮官も、この日ばかりは違った。話の途中で、思わず苦笑した。
「何を言ってるのか、分からなくなってきたな…」
両肩で背負うすべての重圧が勝利の瞬間だけ、軽くなる。これが1勝の重みだ。和田監督は初勝利の味をかみしめた。
選手と一緒に戦う-。自らのスタイルをそう掲げた。信念がちりばめられた試合だった。7回裏には、反撃のチャンスで大和に「打て」の指示。前夜も柴田で勝負し、同点犠飛が生まれた。
和田監督
柴田もそうだが、若い連中が、活躍してラインアップに入らないと、動きが取れない。彼らの成長を期待したい。ワンチャンスで結果を残してくれた。
開幕2戦目で実現した中堅・大和、右翼・柴田はキャンプから描いてきた戦略のひとつ。それが早くも実を結んだ。7回の左腕筒井の起用も和田イズム。開幕戦の延長10回に死球を与え打者1人で降板。一時は勝ち越しを許す要因となった。
和田監督
1度失敗したから、コロコロ変えることはない。もう1回、行ってこい、と。自分ももう1度、球児に、というところ。1年間、そういうスタンスを貫いていく。
やられたらやり返せ。そんな監督の思いに筒井は3者凡退で応えた。最終回は、指揮官のリベンジでもあった。2戦続けて、自らマウンドに歩き、藤川に白球を託した。執念のドローを生かし、熱い采配でウイニングボールを手にした。
和田監督
いやあ、しんどかった。相手の粘り強さ。昨日、今日、こういうゲームになり、最後まで気が抜けない。1つ勝つのは大変だ。今はうれしいとかではなく、今日に限ってはホッとしている。
試合後の第一声に、本音がこもった。悲願のリーグ制覇まで、どれだけ勝利のボールを手にすればいいのか。苦境を乗り越えてつかんだ、この1勝がすべての始まりだ。【田口真一郎】



