<中日2-2広島>◇1日◇ナゴヤドーム

 ドラ1右腕は本物じゃ!

 広島野村祐輔投手(22=明大)が「満点」デビューを果たした。中日戦で初先発し、6回4安打1失点と好投した。初勝利こそ逃したがチームに勢いを与える投球に、野村監督は「100点満点のでき」とたたえた。次回は8日DeNA戦(横浜)の登板が濃厚。実力派ルーキーの初勝利は遠くはない。

 プレッシャーをはねのけた。エース前田健、昨季チーム最多勝のバリントンで開幕2連敗。ルーキーの初登板には荷が重いマウンドとなったが、野村は並の新人ではなかった。

 野村

 変な緊張はなく、いい緊張感でした。(連敗のプレッシャーは)ないです。相手より、自分の投球をしっかりしようと思っていました。

 注目された46歳のベテラン山本昌との投げ合いだったが、22歳の右腕もルーキーらしからぬ落ち着いた投球だった。先頭荒木から外角低めいっぱいの直球で、いきなり見逃し三振。持ち前の制球力で3回までは完全投球だった。

 2巡目の4回につかまった。1死一、二塁から43歳山崎に、外角直球を中前に運ばれ先制された。「さすがです」と投打のベテランに敬意を表した。だが、ここで崩れないのが強み。1死満塁とピンチが広がっても、後続を断ち追加点は許さなかった。

 ひょうひょうと投げる姿が印象的だが、心の中では楽しんでいた。キャンプ期間中、ブルペンでいくら投げ込んでも満たされることはなかった。「僕は試合で投げるのが好き。試合じゃないと楽しくないんです」。フリー打撃でも、フォームが崩れることを恐れ全力では投げなかった。久々の公式戦で1点を争う展開に、心を躍らせていた。

 1点を追う7回1死一塁の打席で、交代を告げられた。野村監督は勝負どころと察し、前田智を代打に送った。

 野村監督

 交代ですか?

 と聞かれたときは、申し訳ないと思った。相当なプレッシャーの中で、1点取られたけど、100点満点の出来だった。いい出だしをしてくれた。

 三塁側内野スタンドでは両親が見守っていた。父武志さん(50)は、昨秋に日本一に輝いた明治神宮大会決勝戦以来の観戦。岡山から駆けつけた2人に、プロでも通用することは証明できた。次回は8日DeNA戦が濃厚だ。「今後は勝って報告したいです」。強心臓ルーキーのプロ初勝利はすぐそこにある。【鎌田真一郎】