<DeNA0-6巨人>◇13日◇横浜

 DeNAが本拠地で勝てない。2連勝で横浜へ戻ってきた巨人戦で完敗した。沢村を打てず、4回に中村が放った1安打のみに抑えられた。これで本拠地は6連敗。中畑清監督(58)は、恩師の長嶋茂雄氏(76=巨人終身名誉監督)が見守る前で、古巣に勝つことはできなかった。

 恩師の前での完敗、そして地元ファンの前での6連敗に、中畑監督の表情は険しかった。長嶋氏が見守る中での、古巣巨人との初対戦。沢村の前にわずか1安打に封じられ、策を講じることもできなかった。「沢村のパワーに圧倒されてしまった。私から見ると、力と技術が沢村に対して劣っていたということ」と、完全な力負けを認めざるを得なかった。

 長嶋氏が「3回に点を取れていたら違っていた。後手に回ると苦しくなる。先手をとる方向にしていかないと」と指摘した通り、攻略の糸口となるチャンスはあった。3回、先頭の黒羽根が四球で出塁すると、続くジオのバントを沢村が二塁へ悪送球。相手のミスから、無安打で無死一、二塁とした「せこいぜ野球」の見せ場に、後続が続かなかった。

 1死一、三塁からは、スタメン3試合目で、粘りの打撃を評価する山崎に打たせたが、結果は最悪の三ゴロ併殺。スクイズの選択肢もあったが中畑監督は「頂いたチャンスで、彼(沢村)が作ったピンチ。山崎は対応できる雰囲気があったから、任せてみたんだけど」と、悔しさをにじませた。

 本拠地での6敗は、中日中田賢、広島前田健ら球威ある投手に、強振を繰り返し、同じように封じられてきた。特に若手に顕著なだけに、「徹底した逆方向への意識を持てるかどうか。ここまで来たらバットを短く持つとか考えないとさ。自分たちが気持ち良く振るだけじゃ結果は出ない」。プロならば、自ら打開策を模索するのは当たり前。それができていない現状に、語気を強めて基本に立ち返ることを求めた。

 会見の最後には「ちょっと怒りが込み上げてきた。腹立つ!」と声を荒らげた中畑監督。恩師、そしてファンの前で見せたふがいない戦いを、これ以上繰り返すわけにはいかない。【佐竹実】