<中日2-2阪神>◇2日◇ナゴヤドーム

 阪神新井貴浩内野手(35)が熱い勝ち越し打を放ち、借りを返した。1-1の10回表、2死三塁から3番鳥谷がストレートの四球。最後は敬遠に近い形だったが、4番の心は平静を保った。「特に何も。自分のスイングをするだけだから」。6回1死一、三塁で二飛、8回2死三塁では空振り三振。やられたら、やり返すだけだった。

 新井

 何とかランナーをかえそうとね。それまでかえせてなかったから。追い込まれていたし、何とか食らいつこうと思った。

 中日浅尾に2ボール2ストライクと追い込まれ、通常よりバットを短く持った。内角138キロフォーク。腰を入れて振り抜き、左前にライナーが弾ませた。一時は勝ち越しとなる値千金の適時打。バシッと手をたたき、右拳を握った。

 4月28日、日本ハム稲葉が2000安打を達成。新井は早速、札幌ドームに色彩豊かなスタンド花を郵送した。ともに08年北京五輪を戦った先輩には、特別な感情があった。

 新井

 あそこまでの選手なのに、常に真摯(しんし)に一生懸命取り組む姿を見てきた。自分もそういうスタイルだし「好き」と言ったらあれだけど、すごく尊敬している。だから花を贈らせてもらった。

 常に全力が身上。主砲として、前日までの3戦連続無得点に期する思いもあったはずだ。5試合連続安打で4月22日DeNA戦以来、8試合ぶりの打点。19打点はセ界トップのヤクルト・バレンティンと1点差だ。3時間56分の激戦は引き分け。「何とか、明日しっかりね」。4番の言葉に力がこもった。【佐井陽介】