<オリックス1-6ロッテ>◇3日◇京セラドーム大阪

 ロッテ渡辺俊介投手(35)が通算1500投球回達成を“花”の今季初勝利で飾った。今季3度目の先発となったオリックス戦で8回7安打1失点の好投。大台までの5回2/3をクリアして、球団では99年に園川が達成して以来、通算12人目の節目に到達した。祝福の花束を受け取ったサブマリンが、今カード3連敗の危機を阻止した。

 渡辺俊が花を摘むように1つ1つ、優しくアウトを摘んだ。直球は120キロながらスライダー、シンカー、カーブと花束のような彩り鮮やかな変化球を駆使して、1500イニングへと近づいていく。節目の記録は最大のピンチで訪れた。6回1死一、二塁で李大浩。キレのあるシンカーを内角に多投して追い込む。最後は真ん中に甘く入ったが、気迫が上回り、詰まらせて中飛に打ち取った。このアウトで歴史に名を刻んだ。

 後続も断ち、この回の終了時にチアガールから花束を贈呈された。「ピンと来ないけど、それだけ投げてきたということかな」。実は5回終了時に花束を渡されかけた。相手側の勘違いで「もう6回だっけ?」とスコアボードを確認した。1000回達成時の花束にホロ苦い思い出がある。8回終了時に受け取ったが、9回に同点弾を浴び、勝利を逃していた。「今日は気持ちよく花をもらいたかった」と祝福を実感できた。

 花をもらうばかりではない。4日前には因縁の相手に祝いの花を贈った。通算2000安打を達成した日本ハム稲葉に1万5000円のスタンド花を用意。札幌ドームの関係者入り口は関係者からの花で埋め尽くされたが、現役投手からは渡辺俊だけ。「現役で一番ヒットを打たれた投手と書いてあったからね」。09年のWBC日本代表でチームメートだったが、食事を共にするような間柄ではない。4月26日の対戦で通算30安打目となる本塁打を喫した相手。グラウンドを離れれば、粋な心遣いを見せる。

 先発6枠目で、初登板まで開幕から3週間を要したが、焦りはない。「もう3勝、4勝している投手もいるけど、慌てずに追いかけたい」。稲葉に贈ったスタンド花は7種類の花で形成されている。メーンの花であるアルスロトメリアの花言葉は「機敏・援助・持続」。シーズンを通してサブマリンがチームに大きな花を咲かせ続ける。【広重竜太郎】