<日本ハム3-2オリックス>◇6日◇札幌ドーム
2000安打の大記録を成し遂げた「匠(たくみ)の技」が、決勝点を生んだ。同点の6回1死一、二塁。日本ハム稲葉篤紀外野手(39)が、技ありの左前打を放った。「前の打者がつないでくれたので。でもたまたまですよ。ラッキーなヒット」。謙遜したが、技術は光っていた。
稲葉ジャンプであおられた高揚感。その勝負は、一瞬だった。オリックス木佐貫の初球139キロシュートが、外角高めに抜けた。見逃せばボール。それでもバットは始動した。軽く合わせて強振せず、打球は広く空いた三遊間を転がった。「(相手の守備位置は)見ていました。コースに体が反応?
そういう感じですね」。2日前に250号本塁打を放ったばかりの強打者だが、状況に応じて巧みにバットをコントロールする。
ヤクルト宮本とは電話で連絡を取り、お互いをたたえ合った。記録の達成後、気持ちはさらに引き締まったという。「『浮かれてるんじゃないか』とか、結果が出ないとそういうとらえられ方もする。調子が悪くなるといろいろなことを言われるし、より集中して」。2000安打という数字は、到達した今でも、依然としてモチベーションになっている。
序盤のヤマ場だった9連戦が終了。「疲れてますよ。でも昨日負けても、今日ズルズルいかなかった」。チームの勝利が、何よりの“栄養剤”でもある。【本間翼】



