<ロッテ7-9日本ハム>◇8日◇QVCマリン
5月に入っても、日本ハム稲葉篤紀外野手(39)の勢いが止まる気配はない。6回だ。同点適時打の中田に続き、無死一、二塁で打席に立つと、ロッテ・グライシンガーの外角直球を右中間へ。「監督から『思い切っていけ』と背中を押してもらった。いろいろなことは考えず、三振でもいいから思い切っていこうと思った」。強振した打球は2点二塁打となり勝ち越しに成功。2死満塁でまわってきたこの回2度目の打席でも適時内野安打を放ち、1イニングで2本の適時打という離れ業をやってのけた。
この日、3・4月度の月間MVPを文句なしの成績で受賞した。2000安打を達成した月の受賞は、プロ野球史上初の快挙。5月に入っても打撃のほうは衰え知らずで、現在、打率3割6分3厘、29打点はリーグトップ。得点圏打率も5割4分8厘とリーグ随一の勝負強さを維持している。
昨年11月のことだった。2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で栗山監督が実施した個人面談で「再生というわけじゃないけど、もう1度頑張ってもらいたい」と、言われた。40歳を迎える年に与えられた発奮材料。「監督が代わって、新しいファイターズとしてやって来られた」。開幕当初は2番で起用されるなどしたが、新たな役割への挑戦を強いられたことが、むしろプラスとなったようだ。
大荒れに荒れた首位攻防戦の第1ラウンドを制し、チームは首位を守った。「1年間、調子がいいことはあり得ない。どこかで落ちると思いながらやらないと」。チームも、そして自身の調子も永久的なものではない。冷静なベテランは、リスク管理もばっちりだ。【中島宙恵】



