<広島2-6阪神>◇9日◇ハードオフ新潟
阪神桧山進次郎外野手(42)が、すべてをひっくり返す一撃を放った。1点を追う7回2死二、三塁。和田豊監督(49)は代打の切り札を送った。広島岸本のフォークボールに対し、速球のタイミングで踏み出した桧山だが、うまくヘッドを残し、沈んでいくボールに合わせた。打球は遊撃手の頭上を越した。
「あれを引っかけないで、素直にきた方向へ返せるところがベテランの成せる業だ。さすがや!」。和田監督がうなった。流れを一変させる同点打。ここから鳥谷、平野、マートンと連打がつながって一挙に5-1と逆転した。まさに「代打の神様」が呼んだ流れだった。
事実、桧山の“神通力”かと思うようなプレーがあった。カウント2-2から速球を打ち上げた。だれもが三邪飛と思うも、広島堂林が追い方を誤って捕れず。命拾いした後、同点打が生まれた。
桧山は「追っているところが違うかなあとは思った。ああやって、仕切り直すことができて。打ててよかった」と振り返った。今季から予告先発制度が導入された。スタメンの野手たちは、前の晩から先発投手をイメージできるようになった。ただ、桧山は違う。これまでと同じように、日々、自分の頭の中で相手を予想しながらバットを振っている。
代打での打点は94打点となり、浅井(広島)を抜いて単独5位となった。元祖「代打の神様」八木氏の98打点にまた1歩、近づいた。「やっている時はそこまでわからないから」。先を見ず、後ろも振り返られない。あるのはその1打席のみ。桧山のひと振りが猛虎の勝利を積み上げていく。【鈴木忠平】




