<中日1-3ヤクルト>◇10日◇ナゴヤドーム

 けが人の穴は「元けが人」が埋める。1点を追う8回1死満塁、代打は36歳のヤクルト福地寿樹外野手だ。中日浅尾の2球目、138キロ直球を捉えた打球は右翼フェンスを直撃。2者がかえって逆転だ。「超一流のピッチャー。胸を借りるつもりで打席に立った」。苦労人の一打で連敗を3で止めた。

 10日の午前中、不動の5番川端が東京行きの新幹線に乗った。前日に腰を痛め、村中とともに登録抹消になった。川端、相川、上田、武内、川本、川島…、投手では村中、由規、松岡…。負傷者は増え続けるが、試合は続く。小川監督は「けが人は仕方がないこと。いる人間でやっていくしかない。その中で、福地、藤本がいい働きをしてくれた」と言った。

 2度の盗塁王に輝いた福地は今春は2軍キャンプスタート。1軍キャンプに合流した初日の2月22日、右ふくらはぎを肉離れした。沖縄から宮崎・西都に1日で逆戻り。孤独なリハビリが始まった。逆転打直前の8回1死二、三塁から四球を選んだのは、左ふくらはぎ肉離れで出遅れた34歳藤本。「福地さん、さまさまです」と笑った。みんなでカバーする強さが頼もしい。

 これで首位中日に再び0・5ゲーム差。昨季終盤は肺炎や、けが人続出で優勝を逃したが、今季は苦しみながら、この位置をキープする意味は大きい。2軍戦で復帰した相川は今日11日にも1軍合流の見込み。苦しい今を耐えれば、きっと明るい未来が待っている。【前田祐輔】