<楽天8-7西武>◇10日◇Kスタ宮城

 連夜のピンチを救った。楽天牧田明久外野手(29)が8回、1死三塁から片岡の放った右飛を捕球し、タッチアップした三塁走者を間一髪タッチアウトにした。失点していればリードを2点に広げられる窮地を脱し、その裏の逆転劇の流れをつくった。前日9日にも1点リードの9回2死一、二塁から右翼への大飛球をジャンピングキャッチ。2日連続でチームの辛勝に貢献した。

 投手のようなコントロールで牧田はバックホームした。8回1死三塁。片岡の放った右飛に素早く落下地点に入った。ワンバウンド送球は、三塁走者の原の足よりも早く上半身にタッチされ、判定はアウト。スタンドは大歓声に包まれた。「それなければいけると思いました。今投げられる9割ぐらいの力で投げました」と制球を意識した好返球だった。

 前日9日も、1点リードの9回に2死一、二塁から右翼への大飛球を好捕した。抜けていれば逆転されていた場面だった。2日連続でチームを救った牧田に対し、本西外野守備走塁コーチも「牧田はコントロールをずらさない。あまり褒めないけど、ファインプレーだよ」と絶賛した。

 昨年はキャンプ終盤で右肩痛を発症し、開幕に間に合わなかった。肩をかばい、07年に手術した肘も痛める悪循環だった。慢性的な痛みは今でもひいていない。毎日黒色のサポーターを肘に巻きながら、守備練習や打撃練習を行う。右腕をピンと伸ばしても肘が180度水平にならない。送球だけではなく、打撃練習でも「衝撃はきますよ。でも痛いとか言ってられないですよ」と自分の限界と闘いながらプレーをし続ける。

 そんな満身創痍(そうい)の姿を星野監督は気遣っていた。2月のキャンプでふと牧田の方へ歩み「肩、肘を壊してるんだから、お前は無理したらいかん」と声をかけた。右の大砲として期待を受けるからこその言葉。牧田は「本当は思い切り投げたいんですけどね。監督が気を使ってくれるのはありがたいです」と感謝の気持ちを胸に秘めた。

 激闘を制し、辛くも2連勝を飾った。史上12人目となる星野監督の通算1000勝まであと1勝。指揮官は牧田のプレーに「いい勝負をするなぁと思ったね」と目を細めた。2夜連続でチームの勝利を呼んだが、牧田は「いやまぁ、それはそれで。もうちょっと打てればいいんですけどね」と無安打の結果にばつが悪そうに話した。今日からオリックスとの3連戦。守って打って監督のメモリアルに花を添える。【斎藤庸裕】