日本ハム中田翔内野手(22)が、“聖地”での1発をきっかけに不振脱出を図る。今日16日から始まる「2012

 日本生命セ・パ交流戦」で、チームは甲子園で阪神と対戦する。ここまで打率1割6分1厘と低迷する若き4番は、プロ入り後まだ経験のない甲子園での本塁打に意欲を見せ、交流戦での復調をもくろむ。栗山英樹監督(51)からも今2連戦での奮起を促され、猛虎狩りに向かう。

 1年ぶりに戻ってきた甲子園に、中田は「グラウンドに出た時はいいなと。懐かしいなと思う」と、輝きを放った大阪桐蔭時代を思い出していた。高校時代に4本塁打を放ち、注目を集めた舞台。プロではまだ1本もアーチをかけていないが、「自分も、もちろん打ちたいなと思っている」とはっきり意欲を見せた。

 ここまで打率1割6分1厘で、両リーグの規定打席到達者で最下位と不振にあえいでいる。昨年の交流戦、6月19日の広島戦(マツダスタジアム)では2本塁打を含む4安打、当時自己最多となる1試合5打点という活躍も見せた。「交流戦をきっかけにという気持ちは、もちろんある」と、気持ちの落ち込みはない。

 豪打復活のスタート地点は“聖地”がふさわしい。栗山監督も、前向きにとらえる。この日、甲子園室内練習場でフリー打撃を行う中田をじっくり見守った。「(高校時代に)甲子園を沸かせた選手には自分の庭で、自分の持っているものが、いかに大きいか実感するには最高の場所。(中田)翔にとってもいいところだと思う」。打撃を見つめ直すにはもってこいの舞台。自信を植え付けるように、奮起を促した。指揮官は「取れる可能性があれば取りたいよね」と、交流戦優勝を目標に掲げた。中田の復調は、必要不可欠になる。「何とか結果を出させてあげたいね」と話し、背中を押した。

 当の中田は、復調へ一心不乱に練習に打ち込んだ。フリー打撃の前の守備練習では、雨が降る中、グラウンドでクッションボール処理を繰り返し確認した。「(他の球場と)全然違いますね」と、はね返りが少ない、レフトのフェンス際に放たれる打球の特徴を、ビショビショになりながら頭にたたき込んだ。「高校時代は、もちろん甲子園を目指していたけど、自分は通過点と考えていた」。湿りがちなバットを爆発させ、思い出の場所を、今度は打撃復活の起点にする。【木下大輔】