広島前田智徳外野手(40)が、今日16日開幕の「2012

 日本生命セ・パ交流戦」でスタメン出場する可能性が高まった。野村謙二郎監督(45)がDH制の使い方について「日替わりになる」と明言。ニック・スタビノア外野手(30)らとともにDH候補に挙がっており、実現すれば2年ぶりとなる。好調をキープするベテランのバットが、コイの逆襲を演出する。

 ジョーカーの使い方が鍵を握る。逆襲を期す交流戦。パ・リーグ主催ゲームでは、DHの使い方が試合を左右する。得点力不足に悩まされる現状で、野村監督は起用法を問われると即答した。

 野村監督

 日替わりになると思います。

 栗原が離脱し、長距離砲と呼べるのはニックのみ。攻撃力を増すために、オーダーを固定するのではなく、バリエーションで勝負を挑む。候補に挙がるのはニック、松山、会沢、そして前田智、石井の2000安打コンビだ。

 期待がかかるのは、好調をキープする前田智だ。今季は13打数6安打で打率4割6分2厘、チーム4位の8打点をたたき出している。全体練習に参加したベテランは「ない。ないです」とDHでの出場に否定的な姿勢を見せたが、首脳陣の考えは違う。

 浅井打撃コーチ

 ニックも前田(智)も、個人的には(DHでの起用は)あると思う。ただ、前田がスタメンで出ていくと、代打がいなくなる。4打席を大事にするか、ひと振りを大事にするかを考えるけど、候補の1人ではある。

 チーム打率は12球団中11位の2割1分5厘。86得点は両リーグでワーストと得点力不足は深刻だ。その起爆剤として、最も頼りになる打者がスタメンに名を連ねるのは自然な流れだ。

 スタメンで起用されれば、10年6月1日日本ハム戦(札幌ドーム)で「5番DH」で出場して以来、2年ぶりとなる。この年は、6試合にDHで出場し、23打数6安打で打率2割6分1厘、3打点。5月21日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)では右翼スタンドに放り込んだ。これが、最後に放った本塁打だ。

 チャンスでの1打席か、試合を通しての4打席か-。いずれにせよ、相手の脅威になることは間違いない。ベテランのバットが、交流戦からの逆襲を導く。【鎌田真一郎】