今日19日の広島戦に先発する日本ハム斎藤佑樹投手(23)が、新人の野村祐輔投手(22)との投げ合いに静かに闘志を燃やした。神戸から広島に移動した18日、マツダスタジアムのブルペンで35球を投げて調整。早大時代に東京6大学リーグのライバル明大のエースだった1年後輩とのプロ初対戦に「安定感があって、すごくいい投手。今も、そういう感じなんだろうなと思います」と話した。

 東京6大学では過去7人しかいない「30勝、300奪三振」を達成した2人。大学時代の先発での対戦成績では斎藤が3勝1敗とリードしている。大学時代の2人を取材者の立場で見た栗山監督は「勝ち負けじゃなく、1人の男として魂を見せてくれると信じている。(ダメなら)2軍落ちでしょうというくらいの気持ちで投げてほしい。野村より先にマウンドを降りないようにしないとね」と、約2年ぶりの投げ合いで生まれる相乗効果に期待した。

 斎藤は前回登板した12日西武戦(函館)では、自己ワーストの9失点(自責4)で2回持たずに降板した。「中途半端にやられたのではなく、最悪のところまでいったので気持ちは楽。もう、頭が真っ白になることはない。粘り強く投げたい」と、中6日で気持ちもリセットした。昨年は左脇腹を痛めて出場できなかった交流戦。練習前には初めて訪れたマツダスタジアムのマウンドに1人で立ち、イメージを膨らませた。汚名返上が懸かる一戦で、ルーキーの挑戦を真っ向から受けて立つ。【中島宙恵】

 ◆東京6大学リーグの30勝300奪三振投手

 明大・秋山登(33勝、334奪三振)法大・江川卓(47、443)早大・織田淳哉(33、396)早大・三沢興一(31、402)慶大・加藤幹典(30、371)早大・斎藤佑樹(31、323)明大・野村祐輔(30、358)の7人。リーグ歴代1位476奪三振の早大・和田毅は通算27勝で到達しなかった。達成した7人全員プロ入りしたが、同じシーズンに1軍登板があるのは去年のヤクルト加藤と日本ハム斎藤だけで、同リーグ「30勝&300K」投手のプロでの対戦はない。また30勝以上した投手のプロでの先発対決は、64年4月30日の大洋秋山と巨人藤田元司(慶大-日本石油)以来48年ぶりとなる。