<広島4-5日本ハム>◇20日◇マツダスタジアム

 広島ファンの歓声が、一瞬でどよめきに変わった。8回、0-4と差を広げられ、なお1死満塁。左中間を割るかと思われた打球を、日本ハム陽岱鋼外野手(25)が前方にダイブして好捕し、飛び出していた走者を二塁で刺した。抜けていれば走者一掃となっていた当たり。陰のヒーローは「びっくりしましたね、僕も」と、ちゃめっ気たっぷりに笑ったが、スーパーキャッチが生まれたのは、決して偶然ではなかった。

 広島の代打は石井。「逆方向に打つのがうまい打者。それを頭に入れて、前方にいいスタートが切れました」と、左中間寄りに1歩を踏み出す。二塁走者は俊足の赤松。「1本で二塁から本塁へかえることが出来るランナー。ここで攻めるしかないと考えた」。データを元にした的確な読みと判断をベースに、最後は思い切った守備で勝負に出た。直後の攻撃で味方打線が爆発し、崖っぷちからの大逆転劇につながった。

 ビハインドを感じさせない体を張ったプレーに、栗山監督も「今日はダイ(陽岱鋼)が飛んで、勝たせてくれた。最後まで諦めず、みんなで自分のプレーをしようという気持ちが大きかった」と、賛辞を惜しまない。終わってみれば、無失策の日本ハムに対して、広島は4失策。守りが明暗を分けた。【中島宙恵】