<楽天4-0中日>◇23日◇Kスタ宮城
ダイヤモンドを回る楽天枡田慎太郎内野手(24)はニコリともしなかった。5回1死二塁、中日中田賢から先制2ラン。膝元のカットボールを右翼席最前列へ。プロ7年目で「もう、打てんちゃうかな」と悩んだ末の第1号が決勝弾になった。お立ち台では「興奮して今日は眠れません!」と切り出したが、笑顔はそこまで。「今までミスばかり。良いことなくて。守備が、ほんま下手なんで。守れるように頑張ります」と続けた。まるで「謝罪」の場だった。
「あの日はダメージがでかかったですね」。ようやく、振り返られた。20日の阪神戦だ。負傷離脱の松井に代わり、打力を買われ1軍昇格。遊撃でスタメン出場した。先発は釜田。甲子園が高卒ルーキーのデビュー舞台となった。枡田は円陣で「釜田が投げます。守りでもり立てましょう!」と声を上げた。だが、1点先制後の1回裏にミス連発。ゴロにもたつき、3失点につながった。釜田の初勝利のチャンスを消した。
釜田には「すまん」としか言えなかった。「大丈夫です」と返されても、悔いは強かった。「高卒ルーキーの初登板なのに。つぶしてしまった」。自らも高校からプロに進んだ。デビュー戦の緊張は痛いほど分かっていた。根は明るい男が、この日の試合前「やってしまったことなので。頑張ります」と小声になった。
記念球は、ファンの好意で手元に戻った。「釜田が投げる時に出られれば、まずは守り。そして打ちたい」。ボールをバッグに納め言った。
謝罪の意思を次はプレーで見せる。後輩にも、記念の1球を持たせるつもりでいる。【古川真弥】



