<ソフトバンク6-3広島>◇23日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク新垣渚投手(32)が07年6月のヤクルト戦以来5年ぶりの交流戦勝利を挙げた。6回2死まで1人の走者も出さない完全試合ペース。「本当に集中できていた。イメージ通りに投げられて、完全試合は狙っていました」。ところが、6回2死から広島の天谷に本塁打を打たれ、完全どころか完封も逃した。集中力が途切れたのか、7回には3安打1四球でさらに2失点して途中降板。完投を逃し「もったいない」勝利となった。

 小久保の2000安打がかかる大事な試合。「こんな機会はめったにないから、僕も特別な日にしたいと思った。みっともない試合にだけはしたくなかった」と登板前から気持ちは入っていた。「心と体のバランスが取れていた。自分のスタイルがちょっとずつ見えてきたと思う」。マウンドでは常にリラックスを心がけ、力を入れず投げる理想のスタイルに1歩近づいた。

 シーズン4勝も08年以来4年ぶり。「久々の1軍のマウンドで勝てるのは普通にいいことだと思います」。もちろんまだ通過点。ここで満足しているわけにはいかない。【前田泰子】