G戦士から盗んだぞ!

 日本ハムの中田翔内野手(23)が29日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で休日返上の打ち込みを敢行した。21打席ぶりの安打を放つなど復調気配を見せた前日28日の巨人戦(東京ドーム)では、谷、高橋由の打撃フォームをじっくり観察。ボールの待ち方やタイミングの取り方のヒントを得た様子。息を吹き返した背番号6が、満を持して今日30日からのヤクルト戦(神宮)に臨む。

 打撃爆発から一夜明け、中田は気分よく千葉・鎌ケ谷の2軍施設に現れた。完全休養日とはいえ、関係ない。別件で同施設を訪れていた福良ヘッドコーチを室内練習場へ半ば強引に連行し、約1時間、ワンツーマンでみっちりと指導を受けた。室内練習場で見せたのは「練習限定」の1本足打法。すぐに左足を着きたがる癖があるため“ため”を意識しながらのトス打撃を約1時間、延々と繰り返した。

 2ランを含む3安打と爆発した前日28日の巨人戦で、ヒントをつかんでいた。福良ヘッドコーチは常々「いい打者はみんな、ボールを長く見ている」と説く。手本として挙げたのが巨人の谷、高橋由の2人だった。巨人戦のあった27、28日の2日間、2人の打撃練習を観察するよう中田に指示。中田は「投手のモーションのどこで足を上げて、どこで地面に着くのか。2人はさすがだな、と思った」。谷は福良コーチの元同僚。同コーチが「(谷)佳知はイチローが『初球打ちの天才』と言ったほどで、始動が早いから初球に変化球が来てもフォームが崩れない」と評する“技”を持っている。

 練習を終えた中田の右足は、ぱんぱんになっていた。「ノーステップよりも、練習はキツイ。今のフォームで、バットの軌道を確認しながら練習しないと」。今日30日のヤクルト戦(神宮)では、中田の復調が一時的なものなのか、本物なのかが問われる。理想の打撃フォームを手に入れたと確信するまで、休んでいる暇はない。【中島宙恵】