<巨人2-0楽天>◇30日◇東京ドーム

 楽天田中将大投手(23)が1軍復帰戦で1球に泣いた。0-0の7回2死一塁、1ボール1ストライクから巨人高橋由へ投じた3球目。外角低めを狙った直球が、やや真ん中に入った。左中間席へ運ばれ、決勝の2ランを許した。8回完投で、失ったのはこの2点だけ。先発の仕事はしたが「あの球をヒットではなく、ホームランに打てる由伸さんが上でした」と潔く負けを認めた。

 先月末に腰痛を訴え、2軍調整を続けた。4月19日以来の1軍マウンドは1回、先頭長野に三塁打。いきなりのピンチで幕を開けたが、後続を抑え「緊張感はなかった」。中盤からは決め球スプリットを打者の膝元に落とし、3回からは毎回の計11奪三振。それでも「0-0なら延長で何が起こるか分からなかった。先に点を与えてしまった」と責任をかぶった。

 敗れはしたが、沢村賞投手同士の投げ合いはファンを魅了した。田中自身も「楽しい、と言って誤解されたくないですが、杉内さんと投げ合う中で楽しかった。野球が楽しかった」と素直に口にした。「ケガで離れた日々は帰ってこない。しっかり調整したい」と、次戦で勝って本当の復帰を果たす。【古川真弥】