<阪神2-1ロッテ>◇5月31日◇甲子園

 サヨナラの場面、阪神新井貴浩内野手(35)は次打者としてバットを持って控えていた。出番はまわってこなかったが、指揮官の“愛のムチ”を受け止めて、準備していた。

 5割復帰をかけたロッテ戦で和田監督は悩める主砲新井をスタメンから外し、代わりに関本を起用した。新井のスタメン落ちは08年の10月以来だったが、この時は腰の疲労骨折が理由。不振で外れるのは阪神移籍後、初めてだった。

 「ちょっと兆しというのが見えなかったから、気分も変わるであろうというところからベンチスタートになった。納得させてというのか。そういう話し合いを持ったから」

 試合前、指揮官から新井に説明があった。ここ5試合、21打数1安打だった。打順が7番まで降格していた新井はベンチから試合を見守った。7回と9回、ネクストサークルには2度進んだが出番はなく欠場した。

 「こちらも、新井自身も気持ちはなえていない。もう1回、まっさらな気持ちで戻ってきてほしい。ずっと、このままでいる選手ではない。もし、ブラが打てなかった時には新井を送り出すつもりだった。チャンスで代打にいくと気合が入るし、集中する。その中で結果を出して、スタメンに戻って、クリーンアップを打ってほしい」

 そんな和田監督の気持ちに新井も姿勢で応えた。試合後、こう言い残した。

 「試合前に監督に言われました。自分としては、しっかり準備していた」

 このまま終わるはずもない。試合後、甲子園の右翼スタンドに残った虎党からは「新井コール」が響いていた。だれもいないグラウンドに向けられて、何度も、何度も響いた。指揮官が、そしてファンが、新井を待っている。【鈴木忠平】

 ▼新井のスタメン落ちは、08年10月11日横浜戦(横浜)以来(9回に代打で出場)、4年ぶり。欠場は、同年9月25日横浜戦(甲子園)以来。このときは腰の疲労骨折のため、戦列を離れていた。次戦9月27日巨人戦(甲子園)から続いていた連続試合出場は490でストップ。09年からの連続全試合出場も3年で止まった。