<阪神2-1ロッテ>◇5月31日◇甲子園
ロッテのルーキーはいきがいいって聞いていたけど、確かにいい投球でしたねえ。7回3安打。苦戦したけど、阪神藤井彰人捕手(35)がプロの怖さを教えたった。2回の初対戦で左翼ポール際にライナーでびっくり弾。守っても、しびれるような投手戦で懸命にリードした。オットコ前捕手の奮闘、きっと同学年の新井にも伝わっただろう。
体をクルリと回転させ、バットを豪快に放り投げた。阪神藤井彰がまだ明るい聖地の空に、先制の今季1号アーチを架けた。2回2死から、ロッテ先発藤岡の初球、内角142キロ直球をミート。ライナーで左翼ポール際に放り込んだ。
藤井彰
真っすぐを狙って打つだけだったので。風でしょ。まあまあ、ボチボチ入ったんちゃうかなというね。今日は風もあるし、(打球)方向も真っすぐやったから。
初対戦の藤岡の内角球を狙い通り振り切った。プロ14年目のベテラン捕手が、ルーキーに洗礼を浴びせた。3試合連続安打でスタンリッジを援護。片岡打撃コーチは「8番が打つと得点になりやすい。藤井も学生時代は4番、5番打ってたからね」とびっくり弾に目を細めた。
ロースコアの緊迫した投手戦。試合を決める一打こそ出なかったが、守備でも3投手を懸命にリードした。9回1死一塁では、失策で岡田の二盗を“アシスト”し、1死三塁のピンチを招いた。「俺のミス」と言い訳はしなかった。
シーズン序盤に顔面骨折で離脱。負傷直後は、ほうれん草のおひたしをかみ切ることさえできなかった。それでも、正捕手は常にチームのことを考え続けた。1軍の試合をテレビ観戦するのが日課だった。前中日監督の落合博満氏(58=日刊スポーツ評論家)が阪神について語った番組を見逃した際は、テレビ関係者を通じて番組のDVDを取り寄せた。
「去年まで対戦した人がどういう風に見ていたか、ものすごく気になる」
チームを離れていても、1軍戦力として研究を欠かさなかった。衝撃の顔面骨折を乗り越えて復活。1軍復帰後20試合で先発マスクをかぶらなかったのは2試合だけ。ホームにどっしり構え、打てる正捕手は頼もしい。【岡本亜貴子】



