<ウエスタン・リーグ:中日6-1阪神>◇6日◇ナゴヤ

 あこがれのエース打ちをパワーに!

 阪神のドラフト1位ルーキー伊藤隼太外野手(23=慶大)が、ウエスタン・リーグ中日戦で先発の川上憲伸投手(36)から2安打を放った。愛知県瀬戸市出身で中日ファンだった伊藤隼にとって川上は夢の存在。この結果を飛躍のキッカケにしたい。

 あこがれの右腕を打った。初回、伊藤隼が川上の真っすぐを中前にはじき返した。さらに3回、今度はカットボールを豪快に打ち、中越え二塁打とした。3度目の対戦だった6回の中飛もしっかり捉えた当たりだった。

 「そりゃ、たまには打ちますよ」。2安打に対する言葉は少々、素っ気なかったが、話が川上に移ると少しだけ目が輝いた。

 「きょうは楽しみにしていました。子どもの頃から中日ファンだったんで。川上さんはすごく頼れるエースでしたからね。もちろん試合で打席に入ったらそんなことは考えていませんでしたけど…」

 かみしめるように話した伊藤隼。鳴り物入りルーキーに苦悩の日々が続く。固め打ちしたと思っても好調は続かず、思うような結果も出ない。象徴的だったのは2日オリックス戦(淡路)後。この試合、味方打線は14安打を放ち、首位チームに快勝したが伊藤隼は5の0と蚊帳の外。あまりの悔しさに目元を赤くしていた。

 技術的には打撃ポイントの近さが指摘されるところだ。「どうしても引きつけて打ちたいんやな。きょうみたいにポイントを前にして打てば、いい結果が出るんやけどなあ」。立石2軍打撃コーチはそう話す。分かっていてもできないというのがプロの難しさだ。

 それでも落ち込んでいても始まらない。毎日戦うのもプロ。ビッグネームを打って励みになるか。そう問い掛けると「きっかけにしたいですね」とうなずいた伊藤隼だった。