<楽天8-3阪神>◇6日◇Kスタ宮城

 イタタタッ…。阪神が、またも捕手の受難に襲われた。藤井彰人捕手(35)が右太もも裏肉離れのため、出場選手登録を抹消された。藤井彰は開幕前も含め3度目の故障離脱。代役で今成が先発マスクをかぶったが、14安打8失点と楽天に痛めつけられ大敗を喫した。再び借金2。苦しい戦いが続く阪神の真価が問われる。

 阪神首脳陣の表情が事態の深刻さを物語っていた。楽天打線に14安打を浴びて、8得点を奪われた。勝率5割復帰をもくろんだが、繰り出す投手陣が次々と打ち込まれた。正捕手の離脱という不安材料がまともに結果になって出てしまった。試合後、和田監督が言った。

 「藤井を抹消して(代わりが)1人ではだめ。3人でカバーしていかないと」

 暗雲が立ちこめたのは試合前のことだ。前日5日の楽天戦(Kスタ宮城)の9回、走塁した際に右足に痛みを訴えていた藤井彰が、この日の午前中に仙台市内の病院で精密検査を受けた。結果は、右太もも裏の筋挫傷。藤井彰は「(今後は)まだ、わからない。(痛みは)ちょっとある」と話していたが、診断を受けて出場選手登録抹消が決定。失意の帰阪となった。

 吉田バッテリーコーチは厳しい表情で説明した。「無理すれば、やれるかもしれないが、もし、もう1回やったら長引くことになる。早く戻ってくるためにも抹消したということです。(復帰は)交流戦明けくらいにはね」。最短で16日ロッテ戦(QVCマリン)にも出場選手登録が可能だが、実戦復帰は早くても交流戦明けになる見通しだ。

 藤井彰はキャンプで左脇腹、開幕後の4月10日広島戦(マツダスタジアム)で顔面死球による左頬骨折と、合わせて3度目の離脱となった。城島が椎間板ヘルニアの手術を受けて長期離脱するなど阪神は捕手の台所事情が苦しいが、藤井彰の再離脱でまたもや苦しい状況に追い込まれた。

 藤井彰の抹消を受け、この日、2軍から小宮山が昇格。4月末に日本ハムからトレード移籍してきた今成が今季2度目の先発マスクをかぶった。ただ、試合では安藤-今成のバッテリーは追い込みながらも仕留め切れず、変化球を痛打された。過去3年間で1軍経験32試合の今成に多くを求めるのは酷か。吉田コーチは苦渋の表情だった。

 「まだ(安藤の)特徴をつかんでいないというのもあるんだろうけど(リードが)無難に、無難にというか。いろいろやろうとしているんだろうけど、結局やられるのは同じようなボール。経験して、勝負度胸がついてくれば…。捕手は若い3人、だれを使うか。監督が決めると思う」

 指揮官は岡崎も含めた3人の力を結集して難局を乗り切る方針を示している。ゲームの根幹を操る「捕手」というポジションの重要性があらためて浮き彫りになった。【鈴木忠平】