<阪神3-1オリックス>◇8日◇甲子園

 いやもう、気の毒なほどの豪雨でも9回まで行われた関西ダービー。阪神金本の逆転3ランを導いた投手陣の踏ん張りも、勝因のひとつだった。特に2番手で6回を抑えた投手陣のアニキ、最年長福原忍投手(35)が、勝利の方程式TEQリレーにさずけた値千金のアドバイスが効いた。一方、オリックス岡田監督は5回の守備になかなか出てこなかった阪神ナインに「試合放棄やろ!」と怒り心頭だった。

 絶え間なく雨が降り続いても、まったく意に介しない。スパイクの跡でボコボコになり、ぬかるんだマウンドで藤川が仁王立ちだ。2点リードの9回。いきなり先頭の代打北川に150キロ台直球を容赦なく投げ込む。難なく左飛に抑える好発進。2死後、山崎浩に中前打を浴びたが、動じなかった。後藤を二ゴロに片づけ、泥んこのグラウンドでキレイな白星を飾った。

 汗と雨を滴らせながら球児は引き揚げる。「けがしないように。(雨でマウンドの投げにくさは)ありましたけど、結果なので良かった」。甲子園では実に5月5日巨人戦以来、1カ月ぶりのセーブ。今季11個目の「S」を積み重ね、先を見据えた。今季、グラブには英語で結束、絆を意味する「Bonds」と刺しゅうする。まさに救援陣の団結力がもたらした1勝だ。

 荒れたマウンド、ぬれる指先といったハンディキャップを消したのは投手陣最年長・福原のひと言だった。6回を抑えた後、ブルペンで待機する投手に投げた感想を伝えていた。「マウンドは悪くないから。でも、ボールは滑るよ」。ベテランの細やかな配慮で若い救援陣は心構えができた。

 7回は筒井が直球で攻め、3者をフライアウトで抑える。「(福原の助言は)ありがたかった。いつも、やられた後は大事にしています」。直後に逆転劇が訪れ、5月8日広島戦以来の2勝目が転がり込んできた。

 筒井は前回の3日、日本ハム戦で1回を持たず4失点でKOされた。救援陣が立て続けに崩れ、試合後に緊急ミーティングも行っていた。8回を榎田で継投し、TEQリレーは9試合ぶりだ。フォア・ザ・チームで雨を“吹き飛ばし”大きな1勝を導いた。【酒井俊作】