<阪神1-2ソフトバンク>◇10日◇甲子園
負けたくない-。9回、虎の意地が明日への1点を生んだ。鷹にキバをむいたのはクレイグ・ブラゼル内野手(32)。9日オリックス戦で走塁ミスを責められた助っ人が名誉挽回、意地の2安打だ。9回は土壇場でタイムリーを放ち今季10度目のマルチ安打。僚友マット・マートン外野手(30)が不振に悩む中、元気出せ-の一打だった。
意地があった。森福のスライダーが外角遠くに逃げていく。ブラゼルは体を倒してボール球に食らいつき、中前まで持っていった。2点を追う9回裏2死一、二塁。1ボール2ストライクと追い込まれながら追撃の中前適時打だ。1点差でなおも2死一、三塁の一打同点、長打サヨナラの場面を作り上げ、日曜日の聖地を最後まで盛り上げた。
ブラゼル
申し訳ないけど、今日は何もないよ。
試合後はあえてノーコメントを貫いた。惜敗に対する悔しさは当然だが、同時に仲間への気遣いもあったはずだ。前日9日オリックス戦の試合後、マートンが暴言と取られかねない問題発言を残した。これが大きく報道されたことに「何故、こんなことになるんだ。あれはジョークなのに…」。僚友が誤解を受けていることに強いショックを受けていた。「無言」は相方を思ってのことだろう。
一方でミス挽回にかける思いもバットに乗せた。そのオリックス戦の2回裏1死で一塁走者にブラゼル。8番小宮山がセンターフェンス直撃の二塁打を放ったが、打球判断を誤って本塁憤死。「走塁の判断が悪すぎる」と自らを責めていた。この日は5回、先頭で大場からチーム初安打となる右前打。虎3安打のうち2安打を放ち、存在感を示した。
これで交流戦通算は57打数18安打、打率3割1分6厘、2本塁打で9打点。好調をキープし、さらに終盤での快音も目立つ。今季は9回の打席で20打数8安打、打率4割の1本塁打、5打点。イニング別でもっとも高い打率を誇り、勝負強さも印象づけている。
47発を放った10年に「もっと勝負強くなりたいんだ」と悩みを吐露していたB砲。今季は現時点でチーム2位の22打点。一打で勝利に導く-。理想像に向かって、ひた走る。【佐井陽介】



