<広島6-1オリックス>◇11日◇三次

 オレに任せろ!

 広島堂林翔太内野手(20)が主力不在のピンチを救う。堂林は11日のオリックス戦で勝負を決める3号3ラン。ニック・スタビノア外野手(30)が左膝を痛め途中交代。「左膝関節靱帯(じんたい)損傷の疑い」と診断され、長期離脱の危機に陥った。栗原は右肘手術、東出も10日に右手中指骨折と主力の離脱が相次ぐ中、プリンス堂林がチームをけん引する。

 堂林の打球は、美しい弧を描いて高く舞い上がり、レフトスタンドの芝生で弾んだ。2点リードとして、なお3回2死一、二塁。オリックスに序盤でダメージを与える3号3ラン。5月8日阪神戦以来、24試合ぶりの1発を、野村監督も「見事な本塁打だった」と激賞した。前日10日の4打点に続くド派手な活躍だ。

 堂林

 狙い通りといえばそうですね。(本塁打の)前の空振りでタイミングが合っていたので思い切って振りました。打った瞬間(バットの)芯を食った感じでした。

 やらなければならない理由があった。1回2死三塁で、4番ニックが三ゴロを打って一塁へ駆け込んだ際、左足を痛めた。転倒してその場で動けなくなった主砲は、担架で運び出され三次市内の病院へ直行。診断は「左膝関節靱帯(じんたい)損傷の疑い」。12日以降に広島市内の病院で精密検査を受けるが、長期離脱は避けられそうにない。なんとかセーフになろうと全力疾走した結果のけが。それを見て燃えないわけがない。

 堂林

 ニックがいなくなったところだったし、どうしても点が欲しかった。

 5月初めに栗原が右肘手術を受けて今季中の復帰は絶望的。前日10日にも東出が右手中指を骨折しており、長期離脱の恐れもある。主力の相次ぐ故障で堂林ら若手にかかる期待も大きくなる。野村監督も「ここまで主力が抜けると厳しいが、天谷や岩本らもいい感じになってきている。若手に頑張ってほしい」とハッパをかける。

 堂林

 東出さん、ニックといなくて、ゲームの中で自分としては心細いですが、逆に僕が引っ張っていくという気持ちを強く持ってやりたい。

 チームでただ1人、全試合出場を続ける堂林が、主力不在のピンチを救う。【高垣誠】