<DeNA1-5楽天>◇11日◇横浜

 楽天打線が1イニングで試合を決めた。0-0の3回に1死満塁から中島俊哉外野手(32)が左前への2点適時打で先制すると、続く牧田明久外野手(30)が左翼へ3号3ランを放った。一挙5点のビッグイニングで3連敗中の悪いムードを振り払い、美馬学投手(25)に力強い援護点をプレゼント。投打がかみ合う完勝で連敗を3で止め、チームを一夜にして勝率5割に引き戻した。

 早々の波状攻撃が楽天に連敗脱出への勢いを与えた。3回無死からの連打と犠打、四球でつくった1死満塁のチャンス。中島がDeNA田中の高めに浮いた直球をひっぱたくと、打球は先制の2点適時打となって三遊間を抜けていった。「高めが来たら犠牲フライ狙い」というベンチの指示とは逆に、打球はゴロ。それでも痛烈だったため左前へ抜け、悠々と2者を迎え入れた。

 中島は「ゲッツーにならなくて良かった」と苦笑いしつつも「ここで打たないと出番がないですから」と左キラーの本領発揮に胸を張った。前日10日に今季初安打を放った岩村を押しのけて5番で先発出場。ベンチの期待通りに左腕田中を打ち砕き「前の打席はチャンスで凡打したので、ここで打たなければ男じゃないという思いでした」と気持ちのこもったコメントを口にした。5月30日の巨人戦では9回2死で杉内から四球を選び、完全試合を阻止しながら「ヒットを打ちたかった」と悔しがった男にとって会心の一打だった。

 負けじと牧田も破壊力抜群の3ランで続いた。1死一、二塁。1ボールからの低めに落ちるカーブを捉え、左翼スタンドに3号3ランを突き刺した。難しいボールだったが「真っすぐを狙いながらも、カーブに止まって、うまくバットに乗ってくれた」という技ありアーチだった。5月25日の練習中に左膝を捻挫して登録を抹消され、8日に1軍復帰したばかり。復帰後2試合目での初安打が貴重な追加点となり「膝はもう大丈夫です」と完全復活を宣言した。

 終わってみればこの5点で快勝。星野監督も「牧田は久しぶりにドンピシャだったな」と、期待の大砲が放った4月21日以来のアーチにご満悦だった。前日10日はルーキー釜田が7回1失点と好投しながら逆転負け。チャンスを生かせない打線に「術中にはまっての失敗はいかん。勉強や」と猛ゲキを飛ばした。それに応える打線の奮起で一夜にして勝率5割に復帰。ベンチと選手の気持ちがぶつかり合い、連敗とともに沈滞ムードが吹き飛んだ。【大塚仁】