<西武6-5広島>◇16日◇西武ドーム

 西武が7安打で6点を奪った。左肩の負傷で登録抹消された中村の穴を埋めたのは、チーム一丸での「つなぎ」だった。4番に起用された中島が2安打を放ち、ともに打順が上がった3番秋山、5番上本も犠打でチャンスメーク。3つの盗塁も得点に絡むなど、小技で得点を重ねた。交流戦12本塁打、32打点の大砲を欠く中、結束でカバーした。

 大砲不在で迎える初戦。チーム全体が、共通語のように「中村のために」と口に出す中、主将栗山巧外野手(28)がナインの心を熱く、刺激した。

 栗山

 中村が抜けて、得点能力が落ちたと言われないように、みんなでやっていきましょう。

 責任感の強い中村に心の負担をかけないための配慮とともに、残されたメンバーのプロ意識をえぐる言葉だった。

 中村を欠いた先発メンバーの合計は11本塁打。中村の言う「飛び道具(本塁打)」でのド派手な得点劇が厳しくなるのは、明らかだった。得点力を下げないために-。掲げたのはチーム一丸での「つなぎ」だった。上本は「選手1人1人がつなごうとしている。中村が帰ってくるまでいい形でつないでいけたら」と説明。土井ヘッドコーチも「帰ってくるまで、みんなでつないで」と強調した。

 「つなぎ」を顕著に示したのが、犠打のシーンだった。2回無死二塁では5番上本、6回無死一、二塁では3番秋山が犠打を成功。それまで5番に2犠打、3番には犠打はなかったが、確実に先の塁を狙う作戦を選択した。渡辺監督が「下位打線の状態がいいから」と説明したように、6番ヘルマンはチーム2位の25打点、7番大崎はスタメン定着後、打率4割4分8厘をマーク。得点への明確なビジョンがあった。

 大砲への依存を感じさせるどころか、新たな攻撃パターンで得点を演出。3つの盗塁、2回の炭谷のスクイズを含む3犠打を得点に絡めた。2年ぶり4番の中島が2安打を放ち、6回には代打平尾が、今季初の適時打。切り札としての存在を誇示した。土井ヘッドが言う「つなぎながら、負けない野球」を示した一戦だった。【久保賢吾】