西武が「涌井シフト」を発動させた。女性問題による「謹慎」を解かれた涌井秀章投手(25)が19日、イースタン・リーグDeNA戦(西武第2)に登板。降雨を考慮して先発したが、開始直後に雨が強くなりわずか9球で1回途中ノーゲームとなった。今日20日も同カードが西武第2で予定されていたが、予報はやはり雨。それでも22日に1軍復帰予定の涌井に実戦を積ませるため、球団は急きょ開催場所を西武ドームに変更した。巻き返しに不可欠なクローザーを、異例の態勢で呼び戻す。
リーグ戦再開からの巻き返しにかける西武の執念は台風にも屈しなかった。涌井の実戦復帰登板は雨にたたられ、1回を投げ終えることなく降雨ノーゲーム。すると球団はすぐさま関係各所との調整に動いた。渡辺監督の意向を受け、今日20日の2軍戦を当初の西武第2から西武ドームに移すためだった。NPBや対戦相手DeNAの了承を素早く取り付け、約1時間半後には変更が発表された。
異例の緊急措置だった。当初はこの日と同様、西武ドームでは1軍が練習予定。だがその場所を西武第2と室内練習場に変更し、2軍戦に本拠地を明け渡すこととなった。また西武ドームでの開催となれば、警備員などのスタッフを増やさねばならず、照明やスコアボードを稼働させる必要も出てくる。有料試合にはなるが、それ相応の費用や手間は避けられない。鈴木球団本部長は「今までも日程をどうしても消化しないといけない時などに変更することはあった。ただ今回は涌井のことがあるし、早く復帰してもらうことが大前提だから」と異例の対応を説明した。
この日の涌井は、せっかくずぶぬれになりながら上がったマウンドで9球しか投げられなかった。啓二朗を三ゴロ、渡辺直に中前打を浴び、3人目の内藤に1球目を投げたところで試合が止まった。そのまま中止となり「正直分からない。グラウンドもぬかるんでたんで」と、やはり試運転としては不十分な内容。だが「でもまた明日投げさせてもらえる。第2で投げるより本拠地のマウンドで投げる方がいいですから」と、より環境のいい「やり直し登板」に感謝した。
発案した渡辺監督は「本人がやりたかった連投ができるし、いいんじゃない」と明るい表情で話した。20日は雨に降られる心配もないため、9回に抑えとして登板予定。連投テスト、クローザー登板が一気にこなせる。「実際急ピッチな状態ですけど、今日もそんなに不安なく投げられたんで、明日も大丈夫じゃないかなと思います」。雌伏の時を過ごした涌井が最大限のバックアップを受け、チームを救う最終準備に取り掛かる。【大塚仁】



