<ウエスタン・リーグ:中日1-6広島>◇20日◇ナゴヤ

 守道竜は、電話が鳴ると何かある!?

 中日高木守道監督(70)が20日、お得意?

 のサプライズ指令を発動した。ウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ)前に関係者を通じて鈴木2軍監督に電話し、ドラフト1位ルーキー高橋周平内野手(18)を右翼で起用させた。7日には自宅でCS放送をチェックし、同様に電話で堂上直を二塁から遊撃に回すよう指示している。再び“モリミチホン”で指示を受けた鈴木2軍監督は「メンバー表を書き直したよ」とビックリだ。

 高橋周は、もっとビックリだ。張り出されたスタメン表の自身の守備位置は、三塁ではなく右翼。「まじっすか」。いや、マジなんです。優しい先輩の吉川が、隣接する合宿所から外野手用のグラブを引っ張り出して、貸してくれた。道具はそろったが「外野は初めて」と野球人生で経験がない。キャンプや1軍の試合前に数回だけ外野でノックは受けた。それはあくまで「足を動かすためでしたから…」。雨上がりのグラウンド状態を考慮しシートノックもなし。ぶっつけ本番だったが、そこはさすが大物。試合中、4度の守備機会を無難にこなし、先輩たちから「ヨッ!

 名人」といじられた。

 それもこれも交流戦でプロ1号を放った超大物を何とか1軍で起用しようと模索する指揮官の愛情。高木監督は「頭を悩ませているよ。もうDHもないし、ライトができんかなと思ってね」とポツリ。高橋周は「どこでも言われたところで」と18歳の“初体験”に、戸惑い気味だったが…。果たして、23日広島戦から再開されるセ・リーグの戦いで、ライト周平は実現するのだろうか!?【八反誠】