仲間たちよ、頼む!

 右膝を負傷した阪神藤川球児投手(31)が20日、出場選手登録を抹消され、西宮市内の鳴尾浜球場でリハビリを開始した。「投手陣には『ゆっくり治させてくれ』と言った」と明かし、完璧な状態で戦線復帰したい考えを持つ一方で、救援陣の奮闘を期待した。守護神不在の緊急事態に、福原や榎田ら救援陣も総動員で乗り切る覚悟だ。

 リリーフエースとして、そして投手キャプテンとして責任感の強さが表れた。故障で2軍降格した藤川は毅然(きぜん)とした表情を浮かべた。09年5月に右肘を負傷して以来、3年ぶりの登録抹消。そのやるせなさよりも、残って戦う仲間への思いが口をつく。

 藤川

 もうすぐ試合が始まる。久保田の状態もいいということだし、任せても大丈夫。(救援陣が)うまく回ってくれれば、自分もしっかり治していける。投手陣には「ゆっくり治させてくれ」と言いました。

 14日の西武戦(西武ドーム)でブルペン投球中、右膝の違和感を訴えた。前日19日に大阪府内の病院で「右大腿(だいたい)骨骨挫傷」と診察された。予想以上の重症で、絶対的な守護神の不在はチームにとって大きな痛手だ。だが、救援陣が藤川離脱を感じさせないほど活躍すれば、球児にとって安心して治療に専念できる利点もある。「ゆっくり治させてくれ」の真意は、勝負の夏以降、全力で投げ抜くために完璧に整える意志の表れだろう。

 藤川

 動けるといえば動ける。あとは投げるときの負荷なので。そんな簡単なものではない。完全に治せたらいいと思っています。(最短10日間での復帰は)視野に入れていないというか、そうなればいいけど、なかなか難しいですね。

 この日は施設内の走路でバック走や体をひねりながら走る動作を行い、患部の状態を確かめた。今日21日からはキャッチボールも再開。3日間、ノースローだったが、右肩の筋力を維持するため、遠投なども取り入れる。復帰の見通しは不透明だが、最善を尽くす。

 戦列に残る救援陣も合言葉は「球児の分まで」だ。代役のクローザーには榎田や福原を起用し、打者の左右によって2人を使い分ける案もある。投手陣最年長の福原が「(藤川の穴は)みんなでやっていけばいいと思う」と一丸を強調すれば、榎田も「『誰か若いやつが出てこないとダメだ』と(藤川も)いつも言っているし、こういうときにチャンスだと思ってやらないといけない」と自覚十分。生命線を欠いた救援陣は、総動員でピンチを乗り越える覚悟だ。【酒井俊作】