<西武5-2ソフトバンク>◇10日◇西武ドーム

 所変われば…。ソフトバンクが西武に完敗し、前半戦ラストの9連戦で黒星スタートだ。直前の日本ハム3連戦で合計45安打と北の大地で蘇生した打線が、西武ドームに場所を移して7安打2得点と小休止。完封負け寸前の9回に飛び出したウィリー・モー・ペーニャ外野手(30)の1カ月ぶりとなる12号2ランだけが明るい材料だった。

 皮肉な予感的中に指揮官はベンチでうつむく時間が増えた。札幌での日本ハム3連戦ではすべて2桁の合計45安打。札幌を離れる直前、秋山幸二監督(50)は「これが続くかどうか」と漏らしていた。

 せっかく握った「打ち出の小づち」を、北の大地に置き忘れてきたか、西武ドームで7安打2点と沈黙。8回まで散発4安打で、連勝は2で止まった。指揮官は「また仕切り直しだ」と口をとがらせた。

 1回。先頭の明石が二塁内野安打で出塁。いけいけ打線の勢いを持ち込んだと思われた。7試合ぶりの犠打で手堅く二塁に進めたのは良かったが、以降は打線が空回り。4日の対戦でも白星を献上した西武野上に苦戦し、8回までゼロ行進が続いた。秋山監督は「野上は何が良かったのか…」とキツネにつままれたような顔だった。

 完封負けを阻止した4番の一撃だけが、明るい材料だ。9回1死二塁。疲労困憊(こんぱい)で青色吐息だった野上の120球目、ペーニャが外角高めの直球に腕を伸ばして捕捉。6月9日広島戦以来、55打席ぶりの12号2ランを鷹党のいる右翼スタンドへ運んだ。6日の日本ハム戦で右手のひらに死球を受け、2試合欠場。4番での復帰戦で意地の一振りを見せた。

 ペーニャは「負けたから意味がない」と空砲を強調するが秋山監督の持論からすると少し違う。「ホームラン打者は1本出るとポンポン出る。自分のツボが決まるというかね」と“連チャン”の法則を説いている。立花打撃コーチも「これから続けてくれたら。(死球の)影響はありません」と完全復活に期待した。

 前半戦を締めくくる9連戦を黒星で滑りだし、借金は5。チームを代表して主将小久保が敗戦をまとめた。「野上が、というよりエンジンのかかりが遅かった。打線は水物だとあらためて感じた。1日置くと、こうなる。でも最後の2点は大きいよ。9連戦の初戦を落としたのは痛いけど、明日はエース摂津ですから、勝ちましょう!」。残り8試合。前半戦で借金返済のチャンスはまだ残っている。【押谷謙爾】